神願い!! 11
二人がどこか遠くに感じられた。自分から離れていったのか自分が離れたのか…。
紫苑はなんだか気持ちが悪くなってきた、せっかく泊まりに来てくれたばかりというのに。
まずは気分を落ち着かせてこよう、と思った。
「とりあえずトイレに行ってくる」
「何だよ…別に隠れてヤルこともねーじゃんか…」
ニヤつく耕哉に腕を捕まれる。
「バカっ;…別にシコりに行く訳じゃないよぉ!ションベンだってションベン!…」
俺は耕哉の腕を必死になって振りほどいた。
「ははは、何無機になってんだよ。お前ってホント単純だよな…」
「お、お前に言われたくはねーよ!…」
どうにかトイレに向かう。
とにかく落ち着かなくては、頭を整理しなくては。
クラクラしたまま、とりあえず便座に座る。
どうせなにも出ないが足首までズボンを下ろす。
なにか難しい小説でも持ち込めば良かったとすら思う、下半身を剥き出しにしたまま俺は頭を抱える。
こんなことになるんだったら、ミノタウルスなんかに思いを馳せてないで、さっさと抜いておけばよかった …
今更ながらに後悔しちゃうよ;…
まあションベン出せば、朝勃ちの時みたいに少しは落ち着くだろう…と思い、俺は勢り勃った先端を無理矢理に便器に向け、力む…
ちょっと痛みを感じながらも、ちょろちょろと便器を奏でる音に俺は身を任せた。
トイレから出ると耕哉の姿は無かった。
俺は辺りを見回し、自分の部屋まで見に戻った。
シーンと静まり返った部屋…
乱れたシーツは自分がしたものだったし、拭う為に枕元に置いたティッシュボックスはその位置にそのままあった。
やべぇ;…帰っちゃったのか?…
そう思った時、2階からゴトッと物音がした…