龍の一族 24
そして朝日が昇る。山々の向こうからの日差しを浴びながら、四人は目覚めた。
「よし、今日も待ち構えねばな」
「う〜ん、眠いわねぇ〜」
「桔梗、お前のその怠惰さは何とかならんのか」
相変わらず、緩い着こなしのせいで朝は爆乳がまろび出ている桔梗だった。
日向に睨まれ、椿は毎度のことと肩をすくめている。
この日も、和人達は働き続けながら釣れるのを待って…いるのだが、ただ働いて釣り餌をしているという事はできなかった。
「あら、若い男なんて珍しい」
「あなた、どこの方?」
村の女達の何人かが、時々和人に近づいてくるのだ。
何をしているのかは、村の主な者に対しては簡単に日向が説明しているのだが、事情をよく知らない村娘などもいる。
邪険にして追っ払っていても例のあやかしに怪しまれかねず、和人達は彼女達とも一応仲良くする必要があった。
「何鼻の下伸ばしてんだよ」
「そんな事してないって」
結局椿が、和人の周りにいて村娘を適度に遠ざける役を負うことになり、仏頂面で和人に文句を言ったりもする。
それが焼きもち焼きな娘にも思え、和人はそんな椿も可愛いと思うのだった。
そしてこの日も、昨日と同じく農作業に明け暮れて、結局何事も起きなかった。
ずちゅ…ずちゅ…ぬちゅ…
何か気持ちいいな…
「ああん、和人ぉ、もっと桃花を抱いてぇ…」
「桃花、桃花ぁ…」
和人は夢の中で、桃花を抱いていた。
彼の上にもたれかかった桃花を、下から突き上げていた。
幸せで、すごく気持ちいい……
何だろう…夢に桃花が出てきたことも、夢の中でも抱いたこともあったけど、それだけではないような…?
そこで和人は目を覚ました。
ずちゅっ、ずちゅっ…体が揺れ、しかも気持ちいい。
「誰だっ!」
「ああっ、あっ!後生だから、このままお願いします…」
村の女の子が、和人の上で腰を振っていたのだ。
彼女には見覚えがあった。何人か、声をかけて来ていた村娘達の一人だ。