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龍の一族
官能リレー小説 - その他

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龍の一族 15


「ん、はあ〜・・・。いい湯だぁ・・・。向こうにいたときは風呂に入っても何とも思わなかったけど・・・。
 こうしてみると風呂っていいもんだったんだなぁ〜・・・。日本人に生まれてよかったって思うよ〜・・・」

久しぶりの湯船に身も心もすっかりほぐれ、とろけた表情を浮かべる和人。
このまま一眠りしてしまおうか・・・そんなことを考えながらうつらうつらしていたその時だ。
もうもうと立ちこめる湯気の中から、人影が1つ目に入った。
人影はずいぶんと小さい。村に住んでる子供でも来たのか・・・そう思いきや。

「・・・ッ!?つ、つばっ・・・!?」
「うるさい。風呂場で騒ぐな」

出てきたのは村の子供ではなく、椿だった。
だが和人が驚いたのはそこではない。いや、それにも驚いたがそれ以上に驚かされたものが彼女にあったのだ。
それは、胸。初めて会ったときは膨らみかけのつつましやかな胸だったそれは。
さすがに桃花には及ばないものの、ありえないほど大きく膨らんでいたのだ。

「ろっ、ロリ巨乳・・・!?」

エロマンガでしかお目にかかれないとばかり思っていた和人は、無礼にもそんな言葉を口にしてしまっていた。
「ろり巨乳?なんじゃそれは?」
椿は胡乱なものを見たような声音で聞いてきた。
「あ、いや、小柄でも胸の豊かな女性のことだよ。」
とっさに和人は当たり障りのなさそうな答えを返した。
「やっぱり小さいか。」と椿は呟くように言う。
「そんなことない、ない!ちゃんと大きいって。」慌てたままの和人が言うと。
「オレは、村でいつも一番小さくて、胸が小さいのも見ての通り。」
そして、ぽつりと付け足すように、言った。
「オレの胸を大きいと言ってくれたのはお前が初めてだ。お世辞でも嬉しいぞ。」
本人は聞こえないような声で言ったつもりなのかもしれない。
でも学生の身の上で、天覇二刀流25代目を襲名してしまう和人の耳はしっかりとその声を拾っていた。
とゆーか、椿の言葉が信じられなかった。いろんな意味で。
だからつい、本音を漏らしてしまった。止められなかった。自分の言葉を。行動を。
和人本人が気づいた時、彼は椿と向き合う形で彼女の両肩をつかんで力説していた。
「いやいや!?何バカなこと言ってんだよ、オマエ!!小さい!?それで!?そんなでっかいおっぱいしてて!?
 つか、最初見たときと全然サイズ違ってたから今のおっぱい見てマジ驚いたわっ!!
 そもそもなんであんなにサラシで締め付けたんだよ!?形が崩れたり胸の成長が止まったりしたらどーすんだっ!?」
「え、いや、だってオレ、胸小さいし・・・」
「だーかーらっ!おまえのおっぱいは全然小さくねえって言ってんだろ!?
 とにかくそんなに胸締め付けるのはやめろっ!そんなでっかいおっぱいを締め付けるなんて、全世界の・・・いいや!
 全宇宙に対する冒涜だっ!!」
「う、うちゅう・・・?」
惑星の概念がわからないのか、きょとんとした顔をする椿。
しかしその顔は、普段の彼女からはありえないほど真っ赤に染まっている。
「ああ、そうだ!だからもうあんな無粋な・・・マネ、は・・・やめ・・・?」
そこでようやく和人は気づく。
自分が下帯1枚羽織らない全裸で、年端もいかない(大きく立派なモノが胸についているが)これまた全裸の少女の肩をつかんでとんでもないことを力説しているということを。
さすがに自分でやっといて逃げることもできず、和人は心の中で『やってもーたーっ!?』と絶叫した。
しかし彼の不幸はまだまだ終わらない。
むしろ彼の不幸はここからが本番だったのだ。
どちらも動くに動けず固まる中、浴場の扉が勢いよく開く。そこから出てきたのは・・・。
「おっふっろっ♪おっふっろっ♪おっはだをツルツル、ピっカピカにぃ〜っ♪」
「おい、桔梗。風呂場で騒ぐな。おまえはまだ執行猶予中の罪人であることを忘れるな。
 ・・・ん?和人?椿?二人とも、そんなところで何をやっている?」
桔梗と日向がこれまた見事なものを引っ下げ、やってきたのである。
龍ヶ峰和人、人生最大のピンチであった。もっとも日向たちにはそんな気はまったくなかったのだろうけど。

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