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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 94

翌日、静は鬼門堂を出た。

行くのは理緒達の居る宿、狸だ。

此処の所、帰って居なかったので顔を出す事にしたのだ。

母としての責務も果たさなければならない。

その他にも狼鬼にも会いたかった。

理緒達を預けている事に対して申し訳ない気持ちもある。

だが、それ以前に狼鬼に抱かれたかった。

瑞穂は愛している。

それこそ子を何人でも孕ませたい程に。

しかし、狼鬼とは結婚の約束をしている。

瑞穂に子が出来て一人で出来るようになったら狼鬼の下へ行く積りだ。

その時は理緒と朱美も一緒に連れて行く。

瑞穂には悪いと思うが、理緒と朱美は連れて行った方が良いと考えている。

あの二人はまだ幼いし、狼鬼の相手をさせたいとも思っているからだ。

下手な男に差し出すより狼鬼の相手をさせて共に生きた方が良いと思った。

3人で狼鬼と共に生きて一生涯を終える。

狼鬼は初恋の相手だ。

初恋の相手と結婚して、新たに子を作り幸せに暮らす。

これが静の新たな夢だ。

その為にも瑞穂には一刻も早く子を宿してもらわなければならない。

だが、今は母としてでもなく瑞穂の女としてでもなく、ただ一人の女として・・・・・・・・・

好きな男に会いたい。

『待っていて下さいね。狼鬼様』

静は軽やかな足取りで狸へと向かった。

この時ばかりは静は、一人の恋する女性に変身していた。

狸へ行くと狼鬼は朱美に絵巻を見せていた。

「あ、お母様ー」

朱美は静の顔を見て抱き付いた。

「朱美。狼鬼様に迷惑は掛けてない?」

「掛けてないぞ。なぁ、朱美?」

「うん!!」

朱美は狼鬼の声に元気良く頷いた。

「理緒はどうしました?」

部屋に居ない理緒の居場所を静は訊ねた。

「水月と一緒に出掛けている」

何処か含み笑いをする狼鬼。

それを見て静は何となく察した。

『理緒も狼鬼様を好きになったのね』

別に理緒が狼鬼を好きになっても嫌ではない。

寧ろ狼鬼を愛して子を宿してくれるなら良いと思った。

自分も子を産むつもりだが、娘二人にも子を産ませたかった。

朱美はまだ歳が幼いからそんな気持ちはまだ無いだろう。

だが、妖しである狼鬼なら朱美が大人になるまでの時間など瞬きをする位の短さだ。

その間は自分と理緒、水月などで相手をすれば良い。

「狼鬼様。少しお話をしても良いですか?」

「何だ?」

静は狼鬼の耳元に唇を近付けて囁いた。

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