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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 72

「お姉様・・・・・・!!」

朱美は理緒に抱き付くと泣きそうな声を上げた。

「誰も居なくて怖かったです・・・・・・・」

「ごめんね。朱美」

理緒は朱美を慰めながら謝った。

そこに水月が現れて瑞穂は静とおり、帰りが遅くなる事を伝えた。

「帰りが遅いとなると、子供たち二人を残しては帰れんな」

狼鬼は考えて理緒と朱美に向き直った。

「今日は、俺の宿に泊るかい?」

「おじちゃん誰?」

朱美が狼鬼を見て訊ねた。

「君の母上と知り合いだよ。朱美ちゃんかな?」

「うん」

「そうか。母上は帰りが遅いらしいんだ。で、おじちゃんの宿に泊らないか?」

「いいの?」

「こんな夜まで子供二人で留守番させるよりは良いさ」

狼鬼は朱美を怖がらせないように優しい声で言った。

「お姉様。どうするの?」

「それじゃ、お願いします」

「お安い御用だ。水月。良いな?」

「はい」

水月は頷き、静に伝えに行って来ると言いまた消えた。

「水月殿って忍ですか?」

理緒は水月の正体を口にした。

「まぁ、生まれが伊賀だからね」

伊賀は甲賀と並び忍の里として名高い。

徳川家康に仕えた服部半蔵も伊賀を纏める武士だった。

それが功を煮やし、今では公議お庭番として働いている。

水月が生まれた場所は伊賀と似ているが、別名である。

だが、別世界から来たなど言える訳ないので嘘を吐いた。

「そうなんですか?」

「あぁ。さぁ、宿に戻ろうか?」

狼鬼は朱美を肩車した。

「うわぁー、高い!!」

朱美は狼鬼の頭を掴んで高く見える事に喜んだ。

「ははははは。可愛い子だ」

狼鬼は笑いながら朱美を片手で支えて理緒の手を掴んだ。

「行こうか?」

「はい・・・」

理緒は虎太郎以外に手を掴まれて赤面した。

虎太郎の腕より大きくて温もりを感じられた。


















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