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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 70

男は馬鹿にするように笑った。

「貴様!!刀を抜け!!」

「嫌だね。ここは天下の道だぞ。その場で抜けば上様からお叱りを受ける」

言葉は真面目だが、口調はまったく馬鹿にしていた。

「きぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁ!!」

武士は刀を抜いて、男に斬り掛った。

男はあっさりと腕を掴んで、相手の力を利用して後ろに投げた。

武士は地面にもんどりを打って倒れた。

「さっさと消えろ。役人が来るぞ?」

刀を返された武士は急いで拾うと逃げ去った。

「大丈夫かい?お嬢ちゃん」

男は理緒を見て訊ねた。

「は、はい。危ない所を助けて頂き、何とお礼を言ったら良いのか・・・・・・」

「なぁに女の子を助けないのは男の恥だからな」

男は笑みを浮かべたまま理緒を見た。

「あの、お名前を窺っても宜しいですか?」

「狼鬼だ。闇夜狼鬼」

随分と凄い名前だと理緒は思いながら、自身も名乗った。

「ん?加藤理緒・・・もしかして静の娘さんかい?」

「母を知っているのですか?」

「あぁ。あいつが子供の頃に良く遊んでやったからね」

理緒は母親が小さい頃に遊ばれていたと聞いて、年齢がどれ位だろうと思った。

どう見ても20代後半から30代前半という所だ。

「あの狼鬼様は、仙人か何かですか?」

思わず口に出した理緒。

狼鬼は声を立て笑った。

「俺は仙人なんていう身分じゃないよ。それよりどうしたんだい?」

狼鬼は理緒に事情を訊ねた。

「実は・・・・・・・・・・」

理緒は素直に話し始めた。

「そうか。まぁ、姉さんと喧嘩を」

狼鬼は頷きながら、取り敢えず宿に来て心を落ち着かせるように言った。

理緒は頷いて狼鬼の後を付いて行った。


















狼鬼の部屋に行くと一人の綺麗な女性が待っていた。

姉の瑞穂と同じ位の年齢だ。

「お帰りなさいませ。狼鬼様。?そちらの方は」

「静の娘で理緒と言う。実はな・・・・・・・」

狼鬼は訳を詳しく話し始めた。

「そうですか」

水月は頷きながら、何となく喧嘩の理由が解かった気がする。

女同士、理由が自然と解かったようだ。

理緒は出された茶を飲みながら、何処に居るのか分からない姉を心配した。

狼鬼は水月に目配りをした。

『静に伝えておけ。理緒が姉を心配していると』

『畏まりました』

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