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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
官能リレー小説 - その他

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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 47

その他にも酒を飲む場所もあると言う。

「そうですか」

「どうですか?少し」

「今は、お金の方が・・・・・」

「今日は無料で結構ですよ」

男は人懐こい笑みを浮かべて店の奥へと連れて行った。

店の奥では、何枚かの札を持った男女が椅子に座り、洋服を着た男と対峙していた。

「これはブラックジャックと言いまして、親より強いカードを出したら勝ちなんです」

負ければ金を取られるという仕組みだ。

そして心理戦が物を言うらしい。

特に顔の表情などで相手はそれでどの程度の力を持つカードか見極めると言う。

「凄い遊びですね」

「えぇ。やりますか?」

「では、少しだけ」

「畏まりました」

武蔵は直ぐに洋服を着た男に目配りをした。

男は頷いて、カードを静の座る椅子の前に一枚投げた。

静はそれを取り見てみる。

黒い先の尖った物が書かれた絵が一枚だけ描かれていた。

『スペードですね』

武蔵が小声で言って来た。

『すぺーど?』

静が訊き返す。

『はい。数は1ですが、これの他に私が言う数字を揃えれば勝ちますよ』

武蔵の話によると21が最強で、それに近い数字を出した物が勝ちらしい。

その後も男が何枚かトランプを渡して武蔵が数字を教えた。

数字は全部で18。

21より3低いが結構な数字だ。

「では、勝負」

洋服を着た男がカードを前に出した。

数字は16。

他の客が負ける中で静が一人勝ちした。

「では、これを」

男が色とりどりの金を渡した。

「これを換金すれば金になります」

「あの、いいです」

静は断った。

「宜しいのですか?」

「元々、賭け事は好きじゃありません。でも楽しかったです」

静の謙虚な態度に他の客は呆れたが、武蔵は好印象を持った。

勝ったのだから金にすれば良いのにしない。

初めての客だ。

「では、これで私が何か奢ります」

「でも・・・・・・」

「私の顔も立てて下さい」

静は正論だと思い、頷いた。

カジノを出た静だが、武蔵にカジノの中を案内された。

「ここは酒場です。西洋ではバーと呼びます」

武蔵は男に命令して酒を頼んだ。

男は頷いて酒を取り出した。

「酒は強い方ですか?」

「そんなには」

寄り合いの席で何度か酒は飲んだが、酔うほど飲まなかったから分からない。

「では、出来るだけ甘い物にしましょう」

男は甘い酒を造り始めた。

「静殿は、鬼門堂に足を運びますが店主とは仲が良いのですか?」

「そうですね」

「あの店主には色々と恩がありますので、贔屓にしているのですが近い内に隠居すると聞きました」

「はい。3日後には出て行くそうです」

「そうですか。では、誰が後を?」

「私です」

「貴方が?」

「はい」

武蔵は驚いたが、直ぐに笑った。

「こんなに美しい女性が店主とは、それでは毎日お客様が来ますね」

静は笑いながら受け流した。

酒が出された。

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