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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 43

そのため国民に愛されていたらしい。

『だが彼女は、自己を幼い頃から封じるように教えられた』

だから自身の気持ちなどは殆ど現わさなかった。

常に建て前などを気にしたらしい。

静は何処か自分と似ていると思った。

武士と女王と身分はあるが、厳しい家庭で育てられたのは同じ事だ。

その事が重しとなり性と言う行為に奔放になったようだ。

「例えば?」

『男女問わず、ある時は獣とも交わった更に彼女自身の体力もあった』

そのため相手をするのが大変だったらしい。

「一国の主がそんな事をして大丈夫なの?」

先ほどの話では建て前を気にしていると言っていた。

ならば、そんな行為は出来ない筈だ。

『我が居た時は国が戦で乱れていた。だから、血の気が多かったのだ』

そのためその熱い身体を冷やす為には性が良かったらしい。

『家で帰りを待つ女子供も夫や父の帰りを待つ間にその渇きを癒すのだ』

国全体がそんな状況だから、別に大して問題なかったようだ。

それを聞いて静は、そちらの方が良いと思った。

自分の時代は戦も無い平和な時代だ。

夫は城や藩、または奉行所、店などに行き汗水たらして働く。

そして妻はそれを黙って待つ。

帰ってくれば飯を食べて風呂に入り、別々の布団で寝る。

行為も子供を作るためで、快感も糞も無い。

ただ女にとっては痛みと子供を産み落とし、育てる重労働だけだ。

そんな時代に生まれた静は、平和は良いと思うが刺激が無い事に何処か退屈感を覚えた。

だから、マーズが話した女の生き方にはある種の羨望がある。

『我がその女に仕えてからは、我が相手をしていた』

「貴方が?」

鎧姿で相手をするのか?と静は思った。

『我は姿形、性別から歳まで変化できる。それに性を司るから女一人など屁でもない』

静は納得した。

『その女が死んでから我は先ほどの通り封印された』

どうせ女に抱かれなくなった者達が腹いせに封じたのだろうと言った。

強ち間違いではないだろう。

前までは毎日のように相手されていたのに、急に横から現れた者に奪われたのだから。

まさに鳶に油揚げを奪われたようなものだ。

「抵抗しなかったの?」

『抵抗すれば国ごと破壊できた。だが、それでは戦を司る者の誇りが許さん』

戦とは鍛えられた者達が血を流す事だ。

女子供などは巻き込まないのが常識であり規則である。

それを己の腹いせに破壊するのは許されないと言った。

「私を犯した猛りとは豪い違いだわ」

喋りこそしないが、凶暴で淫乱だった。

欲望の赴くままに抱いていた。

あれこそ獣と言える。

『神も我のような者たちばかりではないからな』

「でしょうね。でも、大きくて逞しかったわ」

今でもあの状況を思い出すと身体が疼く。

前は嫌悪感だったが、何処かではやはり快楽を得ていた事は否定できない。

『そうか』

マーズは頷いた。

「それじゃ、私は服を取りに戻るわ」

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