侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 36
神の化身の先からは、粘り気のある液体が伝い落ちている。
明らかにフェシリアに精力を入れた証であった。
快楽と言う波に飲み込まれて、意識も朦朧とする意識の中でフェシリアは静の事を思い浮かべた。
『シズカ。お前も、この神に貫かれろ。そうすれば、男の事など忘れる』
そして私と共に生きよう。
そこでフェシリアは意識を手放した。
フェシリアが気絶したのを見て、神の化身はいきり立った猛りを空に向けた。
まるでここには居ない者を追い求めるように見えた。
静は道場で座禅を組んでいた。
座禅を組む事により精神統一をするのだ。
しかし、まったくと言うほどに身が入らない。
頭に浮かぶのは雑念。
それも色欲だ。
頭の中では夕霧と交わる事を描いていた。
夕霧の着物を剥いで乳房を揉み、乳首を吸っては噛み締める。
夕霧は喘ぎ声を上げながら静を抱く。
そんな色欲だった。
「・・・・・・」
静は目を開け腰を上げた。
その静の様子を心配そうに、そして複雑な表情で見る者がいた。
瑞穂だ。
あの触手に犯された一件以来、彼女に大きな変調が表れていた。
母の前では心配させまいと平静を装っていた瑞穂だが、心と身体は獣じみた性欲に支配されていた。
身体は常に疼き、股間は潤みっぱなし、今や母を超えんばかりに発育した大きな胸は敏感になり、乳首が充血して痛痒いぐらいであった。
まだ幼さ残る朱美と違い、自分の慰め方を知ってる瑞穂は自慰でしのいでいたが・・・
時と共にその回数は多く、そして激しくなっていく。
特に、母の濃くなっている女臭に余計に身体が疼き、それを隠す為に最近少し素っ気ない態度を取っていたぐらいだ。
純粋に母を案ずる心と、満たされぬ獣欲。
そんな複雑な心境で静を見ていた瑞穂だが、後ろに気配を感じ振り返る。
「姉様・・・」
心配顔で姉を見る理緒に瑞穂は微笑みかける。
「お母様は修練中です。そっとしておきましょう。」
そう言った瑞穂は理緒に近づき寄り添う。
それ自体は妹を案ずる姉のようであったが・・・
次の動作で瑞穂は理緒の腰に手を回し、ソッと彼女の唇を奪う。
理緒もそれを嫌がるどころか、素直に受け入れた。
「姉様・・・。」
理緒の瞳は潤み、頬は紅潮していた。
「理緒はもう・・・」
姉を見る理緒の潤んだ瞳に欲情の炎が灯り、瑞穂の瞳の欲情の炎と交錯する。
そう・・・
同じく触手に犯された理緒も、その身を欲望に焦がしていたのであった。
お互いの欲情を確認した二人は、末妹と母に気付かれぬよう、静かに土蔵の方へと向かう。
ここが姉妹の逢瀬の場であり、理緒が瑞穂の激しい自慰を目撃した番であった。