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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 27

家へと帰るまで静は、店を継ぐとして娘達に伝えるかどうか考えていた。

3人の娘たちは虎太郎以外に男を知らない娘たちであり西洋の文化には少し懐疑的な面もある。

特に瑞穂などは父親の影響が強い。

メイド服は虎太郎が喜ぶから着ただけであり、好んで着ようとはしない。

逆に三女の朱美は西洋の物には興味がある様子だ。

理緒はどちらでも良いと言う割り切ったとも言える考えを持つ。

『瑞穂には言えないわね』

仮に言った所で理解できないだろうと静は思った。

そうなると、やはり知られないようにするしかないと思った。

それを考えると、夜になって皆が寝静まった所を見計らって店を開くのが良いだろう。

しかし、それも何時まで騙せるか、という所だろう。

「でも、その時はその時ね」

生きて行くには金が必要だ。

武士は食わねど高楊枝と言うが現実はそんな甘いものではない。

実際、生きて行く為には武士の魂とも言える刀を質屋に入れる者も居る。

ここまでならまだ良い方だ。

運が悪ければ女郎屋に妻子を売るか、店の主の妾などになるしかない。

最悪の場合は一家心中だってある。

それを考えれば、静のやる事は良い方であり、家族にとっても幸せな方だ。

瑞穂達もそれを知れば、分かる筈だ。

そう静は思った。

家まで、もう少しという橋を渡る途中で静の足が止まった。

暗闇から獣の鳴く声が聞こえてくる。

目を細めて見れば、数匹の野犬が近付いて来た。

口からは涎が垂れており、異臭がする。

静は立ち止り、着物に入れてある懐剣に手を伸ばした。

近頃、不逞浪士は海外などに行き、問題ないのだが最近は野犬などが出るようになった。

既に三代目将軍となり死亡した、松平綱吉が定めた生類憐みの令は消えている。

その為、野犬を殺しても問題はない。

しかし、野犬は数で相手を威嚇するので幕府側としても対処に困っているのだ。

それが逆に野犬達を付け上がらせたのか、最近では数を増やして夜を支配するようにまでなった。

静は後ずさりながら懐剣を抜いた。

後ずさりながら背後にも気配を感じた。

『前門に虎、後門に狼・・・・・・・』

まさしく前後を挟まれた状態だ。

静は懐剣を右手で逆手に構えて、橋を背に前後から来る野犬を刃で威嚇した。

野犬達は、低い喉で唸りながら距離を縮めて来た。

ふと視線を下にやれば、野犬達のぺ○スがいきり立っていた。

静は一瞬、野犬に犯される光景を浮かべて、寒気を感じた。

一匹の野犬が静に飛び掛かった。

静は懐剣で防御した。

危うく喉元に咬まれそうになった。

『・・・不味いわね』

冷や汗を掻きながら静は対策を考える。

しかし、野犬の数は15頭も居る。

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