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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 21

相手を地面に押し倒し、懐剣で喉を貫いたり、絞め殺したりもする。

勝つ事が武術の基本であり目的なのだ。

だから、瑞穂の行動は別に試合に反している訳じゃない。

静も木刀を捨て、瑞穂と組み打ちをした。

瑞穂の腕を掴むと、一気に背負い投げを喰らわした。

瑞穂は受け身も取れず、地面に叩きつけられ悲鳴を上げる。

そこへ馬乗りになった静の木刀が来る。

木刀は喉元で止まった。

「真剣なら死んでいるわ」

静の冷たい声が瑞穂の耳に響く。

普段、鍛錬では厳しい静だが、今の声は、殺し合いをしたような声だった。

『母上は、誰かと斬り結んだ?』

瑞穂は心の中で問いを投げた。

「理緒、次は貴方よ」

理緒は直ぐに木刀を握り、正座から腰を上げた。

理緒は下段の構えを取った。

下段の構えは、実戦では八双と同じく実用的で使われる。

静は瑞穂から離れた。

瑞穂は急いで、隅へと移動した。

喉が冷たいと思い、触ってみると、汗を掻いていた。

『・・・恐怖で掻いたのね』

あの母親はまるで別人のようだ。

そう瑞穂は思った。

理緒は、静から放たれる気に圧倒されていた。

『何だか何時もと違う』

瑞穂とのやり取りを見ていたが、何故か何時もの静ではないと感じた。

静は、正眼の構えを取りながら理緒を見た。

『何だろう。何だか、心が熱いし、相手を打ち倒したいという気持ちが沸き上がって来る』

ふとフェシリアの言葉が頭を過った。

『我らは、快楽以外に血を求めるんだ。より強い相手を倒して力を得たいんだ』

まさか、自分もそんな気持ちなんだろうか、と思ってしまった。

そこに一瞬の隙が出来た。

それを理緒は見逃さず、下段から突きを繰り出した。

静は僅かに対応が遅れた。

しかし、直ぐに持ち直して、一気にペースを自分に持ち込む事に成功した。

理緒は一気に防戦に追い込まれた。

隙を窺おうとするが、静には一瞬の隙も無い。

先ほどの経験から見せないようにしているのだろう。
理緒は、どうにかして打開策を見つけようとするも静の攻撃は更に激しさを増した。

あと一歩で倒されそうになった時だった。

静の木刀が地面に落ちた。

そして、静も地面に膝を着く。

「あっ・・・くっ・・・んぅ・・・・」

何やら呻き声を上げる静は、股間の部分を抑えようとしていた。

「母上、大丈夫ですか?」

理緒は心配になり静の近付いて訊ねる。

瑞穂も同じだった。

「だ、大丈夫っ!?あ、ああああああ!!」

安心させようと笑った静だが、大声を上げて仰向けに倒れた。

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