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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部
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侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 106






















静はシャワーを頭から被り、汗を洗い流していた。

時刻は既に午後の14時を回っていた。

あれから瑞穂と何度も抱き合い、高みへと登った。

やがて瑞穂が力尽きた。

静は瑞穂を寝室に休ませてシャワーを浴びる事にした。

シャワーを浴びながら、静はマーズと久し振りの会話をした。

『ねぇ、マーズ。瑞穂の様子はどう?』

『どうとは?』

『子は出来そう?』

『その事か。それなら問題ない。このままやれば直ぐにでも孕むだろう』

しかも、通常の子供より育ちが速いから独り立ちも出来ると言った。

『そうなの?』

『あぁ。半年もあれば、瑞穂位になる』

『そうなの。それじゃそれまでに瑞穂に私の全てを託さないと』

『我の事は後回しで良いぞ。契約は直ぐに出来る』

『それは助かるわ』

静は礼を言いながら、瑞穂が早く子を宿る事を願った。

シャワー室を出てタオルで身体を拭いていると、戸が開く音に気付いた。

「ご、ごめんください・・・・・・・」

弱々しい声が聞こえた。

その声には聞き覚えがある。

静はタオルを身体に巻いた状態で出た。

艶やかな黒髪をきれいに頭の上に結い上げ、その涼やかな美貌をはっきりと見せている。

年齢は20代の前半のようだ。

うっすらと軽く化粧をしているだけの張りのある肌に、いかにも和風美人といった切れ長の瞳、それにすっと通った鼻筋に、肉厚の水気をたっぷりと含んだ口唇。

その美貌は品のある上品な雰囲気と凛と張り詰めた緊張感を醸し出している。

静の近所に住んでいる華道と茶道の師範を務める五条静江。

京都の名門家に生まれた娘で江戸へと引っ越して華香流という新流派を立ち上げて一代で巨大な富を築き上げた。

しかし、とても優しく近所付き合いも良い。

そんな静江がどうして、こんな場所に来ているんだ?と静は思った。

「静江さん・・・・・」

「し、静さんっ」

静江は店から出て来た静に驚いた。

「ど、どうして静さんが・・・・・・・」

「まぁ、色々と事情があって」

静は言葉を濁しながら静江を見た。

「そういう静江さんは?」

「あの、その、ここに来れば、・・・・・快楽を得られる物があると聞きまして・・・・・・・・・」

何処か恥ずかしそうに静江は答えた。

「詳しい話は、中でしましょう」

静は静江を店の奥に連れて行った。

リビングに通して静江の為に茶を淹れた。

「あ、ありがとうございます・・・・・」

静江は礼を言って湯呑を受け取った。

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