侍物語〜サムライストーリー〜 第二部 11
ここの主で、一人で切り盛りしている。
「こんにちは。ちょっと聞きたい事があって」
「何でしょうか?」
主は首を傾げながら、煙草を取り出して銜えた。
「私にメイド服と一緒に、棒を渡しましたよね?」
「あぁ。あの棒か」
主は火を点けながら思い出したように頷く。
「あれは、何なんですか?」
「んー、わしも詳しい事は知らないんだが、何でも遠い北の国では、神として崇められていた物らしい」
『じゃあ、夢で見たあれは・・・・・・・・・』
夢で見たのは、現実にある光景か、と静は思った。
「そこでは、女しか住んでいない国らしい」
結婚と言う制度も無く何故か男も生まれない。
だから子供が居ない筈なのだが。
「神が与えてくれるらしい」
そのため子がいるらしい。
「・・・・・・」
静は黙って聞いていた。
「で、貴方に差し上げた棒には意思があり、女に取り付く・・・言い方が悪いが、とにかく取り付いて快楽を与えるらしい」
そして子を授ける。
と主は言った。
「それを抜く方法はあるのですか?」
「その国にはあるらしいが、わしには分からないんです」
静は落胆を隠せなかった。
「どうしました?顔色がよくありませんが?」
「いいえ。何でもありません」
静は表情を取り繕い、店内を見回した。
見た事もない代物が一杯だ。
そこでふと目に映ったのは、夢で自分が着ていた鎧だった。
「この鎧は・・・・・・」
「それが先程お話した国の鎧ですよ」
これを戦の時は身に付けて戦うらしい。
「これが・・・・・・」
「その他にも関連性がある物がありますけど、見ますか?」
「・・・お願いします」
静は頼んだ。
夕方になり静は帰宅する道を歩いていた。
あれから関連性のある物を見ていた。