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南の島の大王は…
官能リレー小説 - その他

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南の島の大王は… 6

不覚にも俺は彼女の身の上に心の底から同情してしまった。
「それにあの男。体は成長しても、中身は子供のままで、気に入らない事が有るとスグ他人に当たり散らすんだから・・・わたしも良く生意気だって殴られたし・・・だからこれはむしろ好機だわ!!それに正直あの王じゃ国を保つことは出来ないって思っていたのよ!!例え結果として王位の簒奪に成っても、あのバカ王が国を滅ぼすよりマシよ!!」
そう言って彼女は自分だけで勝手に結論付けた。しかし・・・
「ちょ!ちょっと待って下さい!!俺は王様に成るなんて承知してませんよ!!」
俺の言葉に王妃は、寒気がするような邪悪な笑みを浮かべた。
「フフフ・・・残念だけどあなたに選択の余地は無いわね!!・・・もし否と言うなら私もあなたも姦通罪で死刑よ!!・・・いいこと、私とあなたは既に運命共同体なの・・・あなたに選べるのは、私に協力して王と成るか、それとも死ぬかだけなのよ・・・好きな方を選びなさい」
「そ・・・そんな〜」
選びなさいと言われても、既に選択の余地は無い。
「で・・・どうするの?」
俺は恋人に振られた挙句。こんな南の島でこのような大それた選択をしなければいけない自分の運命を呪いつつ、それでも死ぬのはイヤだと決断した。
「わ・・・分かりました・・・王様に成ります・・・」
その言葉に王妃は心の底から嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ありがとう!!これからよろしくね!ア・ナ・タ(^^)」
王妃のその笑みは、傍目には清純その物で、俺もイッソ見惚れそうなほど美しい笑みだ。
だが、本当は彼女のその笑みは自分の夫を蹴落とし、王位を簒奪せんとする魔女の微笑みなのだ。
こうして俺は、王妃と悪魔の契約を交わし、このマダタスカル島の国王に成ったのだった。



「国王陛下のオナ〜リ〜!!」
俺は精一杯威厳に満ちた態度で玉座に座る。
「フム!皆の物大義である!!」
「「「「「「ハハ〜ア」」」」」」
俺がこのマダタスカル島の王に成って三年。不思議な事に王妃以外の人間には、俺が偽物の王だとバレル事は無く。今でも俺はこの国の王様をやっている。
最初こそ何時俺が偽物だという事がバレて、縛り首に成るだろうとビクビクしていたが、三年も経つとさすがに成れたのか、それなりに威厳に満ちた王を演じることが、出来るように成った。
それどころか、近頃では王もようやく王としての使命に目覚めたようだと、家臣たちからの評判も良い。
「では、陛下本日の議題ですが・・・」
「うむそれについては・・・」
王様に成った当初は、政治の事など分かるハズも無く、王妃の言う通りにしていたが、近頃では自分成りの意見さえ口に出来るように成っていた。
正直今では自分が日本で生まれ育った事さえ遠い夢のようで、まるで生まれた時から自分がこの国で王として生きて来たような気さえしている。

そんなある日の事…。
「国王陛下、わざわざお時間をいただきまして恐れ入ります」
「うむ、構わぬ。して話とは何だ?」
王室に関する諸事を司る役職の臣下が内密に話したい事があると言ってきたのだ。
「はい、実はお世継ぎの事でございます」
「世継ぎ?」
「はい、国王陛下が王妃殿下と御結婚あそばされてからもう四年…いまだ王妃殿下に御懐妊の兆候も無く…」
当たり前だろう。王妃とはおおよそ週三の割合でベッドを共にしているが(仲は良い)、常に外出しを心がけているのだ。だって俺は王様じゃないんだもの。子供が出来たらマズい…。
「…何が言いたい?早よう結論を言え」
「恐れながら王妃殿下は石女(うまずめ)の可能性があります!どうか側室をお迎えになって、お世継ぎをお作りください!」
俺が種無しという可能性は考えないのだろうか…。いずれにせよ偽物の王である俺が世継ぎなんて残しちゃ駄目だろう。
「私はまだ二十代だぞ。世継ぎの心配はもう少し先でも良かろう」
「そうも参りません!かような事を申し上げては失礼かとは存じますが、いつ何時、国王陛下の御身に不測の事態が起こらぬとも限らぬのですよ!?万が一の事がございましたら王家が途絶えてしまいます!」
「それを言ってしまえば人間いつどうなるかなど分からぬからなぁ…ちなみに私が死んだら王位継承はどうなるのだ?」
「一応、弟君であらせられますアババ殿下が王位を継ぐ事になります」
「あいつか…」

アババ・ド・ナナナ。王の弟で陸軍大将の位を持っている男だが、これが王に輪をかけた馬鹿で、しかも女好き。王族の名を傘に着て放蕩三昧の好き放題をやっている王家の面汚しだ。

「さらにアババ殿下に万が一の事がありましたら、従兄殿であるウンボ殿に王位が参ります…」
「あぁ〜…あいつかぁ…」

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