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強制結婚制度 ‐オチコボレの挽歌‐
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強制結婚制度 ‐オチコボレの挽歌‐ 2

香織も、昨日 役所から書類が、来ていて 『不適格』となっていたからだ。
「朝っぱらから暗い顔して、どうしたんだよ?」
「慎くん、あたし一生結婚出来ないかもしれなくなっちゃったの。」
結婚出来ないというフレーズで慎太郎はピンときた。
「ひょっとしてお前の所にも不適格通知が来たのか?」
「えぇ〜お前もって、慎くんも?」
「二人揃ってオチコボレちまったな…。」
「…。」
学校までの道のりを二人でトボトボ歩いていると、相変わらずの高いテンションで一人の女学生がやって来た。
「オッハロ〜!」
「…オス」
「おはよう、理子。」
こいつの名は加藤理子。ショートカットの17歳で、タレントで例えると若槻千夏に似ている。
俺達とは中学からの付き合いで、香織とは親友の間柄だ。
理子の特徴を一言で言えば、よく喋る女だ。
暇さえあれば、ベラベラ喋っていて、こいつとは数年の付き合いたが、授業中以外に5分と黙っている所を見たことがない。
手を振る左手薬指に光る指輪は既婚者の証。
そう、こいつは既に結婚しているのだ。

しかも、既に一子出産済み。
相手の男は見たことないが、かなりの年配らしい。

香織に理子の相手をさせて、俺はさっさと校門をくぐる。
一年の1/12しか楽しませてくれない桜の木も今はすっかり花を散らせてしまって、俺に何の感慨も与えてくれない。
傷心の今の俺にとって唯一の心の安らぎは、今年から同じクラスになった学校一の美人、北条祥子さんを後ろの席から眺めることしかない。
その美しく長い黒髪を見ているだけで、退屈な授業風景まで麗しい気持ちになるのだから、茶髪や金髪にファッションやらブームやらで、直ぐに染めてしまう近頃の女達は全く反省して欲しいものさ。

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