同級生 10
―――― ガチャッ
ゆきが悠太の部屋のドアを開けた。もっとぐちゃぐちゃして汚い部屋だと思ったら、意外と殺風景でモノトーンな部屋だった。 「おじゃましま〜す♪へ〜意外に綺麗じゃん!もっと汚いかと思った。」
と言いながらゆきはベッドに腰掛けた。
「うっせ!汚ねーのはお前の部屋だろ!」
「なっ!!!失礼ね!私の部屋だって綺麗よ!」
………
会話が途切れてしまった。
悠太はベッドに腰掛けた事でさらに姿を見せるゆきの生足に目がいっていた。
――こいつ…こんなに足キレイだったっけ?白いし細いなぁ〜
悠太はあまり見ないようにしているが、すぐに白く健康的な足に視線がそそがれてしまう。
悠太の中では昨日オカズにした淫らなゆきと、今隣にいる清楚なゆきがごっちゃになりそうだった。
「なんかCDとかないの?」
沈黙に耐えられなくなったゆきが口を開いた。
「CD?そこの棚になるけど…」
「結構揃ってるじゃん…」
ゆきが屈むとスカートの後ろの丈が短くなった。普段、制服姿で見馴れてる太ももが今日はやけに眩しい。
ゴクリ――
「あ!このCD借りていい?」
急にゆきが振り返ったので悠太はドキッっとして不自然に顔を背けてしまった。
「…?悠太?どうかした?なんかあんまり喋んないし、変だよ?」
「イヤ!そっ…そんなことないよ!」
明らかに声が裏返っている。
「やっぱり変だよ!なんか顔赤いし…。具合悪いの?」
そう言ってゆきが近づいてきた。ゆきは悠太の額に手を当てようとした…が、はっとして手を引っ込めた。ついこの前に起こった事件の事を思い出してしまったのだ。そぅ、あのキスの事を…。
「どうしたんだよ…」
悠太はゆきの気持ちに気付くわけがなく…。
「あ、いや…この前…みたいになったら……まずいじゃん?」
悠太の目を見れない。
「…この前って……。あ…!」
ようやく悠太も気づいた。
………
再び2人とも黙ってしまった。
「ゆき…、やっぱりあれ嫌だったか?」
「え!?」
悠太からそんな事聞かれるとは思ってもみなかった。
「悠太こそ…、私みたいなのとあんな事になって…嫌だったでしょ…?」
そう言ったゆきは泣きそうだった…。