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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 8

そんなこんなで、悠太の家の前に来た。「じゃあね、傘ありがとっ。明日返しにいくね…」「さんきゅ…ってか、おまえん家まで送ってこっか?」「…えっ!!」突然のことで驚く。
「別にいい。すぐ帰れるしっ」「なんだよっ、人がせっかく親切にしてあけてるっつーのに…」「よけーなお世話ですぅ!!」
「ったく!可愛くねーな…。」
「ふんっっ!!」
そう言い切ってゆきは走り出した。
何なの悠太は。優しかったり、憎たらしかったり……また優しかったり…。
ぶっきらぼうだったケド悠太が袖で涙ふいてくれた時、思ってた以上に手がゴツくて…。抱き締められた時、悠太が大きく感じた…。悠太はホント男の子なんだな…ってびっくりした。
男の子かぁ…。悠太はあたしの事女の子って見てるのかなぁ……。
先程の会話を思い巡らしてみる。
……まずあたしが女の子として失格か。あはは…。


「なんだあいつ!」
自分の部屋についた悠太は堪えていた感情を吐き出した。
「いきなり泣きだしたり笑ったり…何なんだ!?」
濡れた制服のまま部屋の中を歩き回る。
「でも泣き顔は反則だよなぁ〜。本当に涙は女の武器だぞ…」
でも可愛かったな…。あんな顔、ゆきもするんだ…。目がうるうるして子犬みたいだったな…抱き締めたときすんげぇ柔らかかったし……
「やべっ」
柔らかな感触を思い出すたびに股間がうずく。悠太にむくむくと元気になるそれを押さえる気はなく、ドアに鍵をかけティッシュを近くに引き寄せた。


「傘返さなきゃな」
お風呂場にゆきの声が響く。家に着くと母がお風呂を沸かしてくれていた。遠慮せずに母の好意に甘えて冷たくなった体を温める。
「明日土曜日だしなぁ、学校はないし…」
口まで湯槽に浸かり息を吐き出し、ブクブクと泡をつくる。

どうしよう、早く返したほうが良いよね。何で明日休みなんだろ〜

「あ、そっか、休みなら悠太の家に返しに行けば良いんだ」
了解もとっていないのに、勝手に決めた明日の予定にゆきは胸がワクワクしていた。
「よしっ!」
ザバァッ――お風呂の水位が下がる。温まった体を柔らかなバスタオルで包み、洗面台の鏡の前に立つ。
「なに着てこうかな♪お土産も持っていかなきゃ失礼かな。あ、後で悠太にメールしなきゃ」
ウキウキと映し出された自分に語りかけるゆきの姿は“恋する女の子”だった。

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