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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 7

「お前、意味知らないのにそんな言葉使うんじゃねぇよ…傷付くだろ」
ゆきはわけもわからず謝った。
「…ごめんなさい…。」いつのまにかゆきの目からは涙があふれていた。
これをみて今度は悠太があわてた。
「なっ…何でそこでおまえが泣くんだよ!!」「…かんないっ」
ゆきも、どうして自分が泣いているのか訳が分からずにいた。
「なぁ…泣くなよ。なんか俺が泣かせたみたいじゃんかぁ。」
「だっ…だって…悠太がぁ。もっ…わけわかんないよ…」
「ああああ!悪かったって。な?俺が悪かった!ごめんな。」
「ちっ違っ…私が…わるっ…悪かったの…ゆっ悠太は悪くなっ」
その時突然、悠太がゆきを抱きしめた。
「俺…なんか分かんないけど、お前に泣かれるの困る!だからマジ泣くなよ…。ほら。」そう言いながら悠太はゆきの涙を制服の袖口で拭った。
(意外とやさしいんだ…)でもこういうときに限って素直になれない。
「バカっ!!何で袖で拭くのよぉ…こういうときはハンカチの一つ出すのが男でしょ!!」「んな事いうなっ!!ハンカチもってきてねぇんだよ。」
「何で持ってないのよ、バカ〜!もう……」
「またバカって言ったな?!」
「バカはバカでしょ!」
「バカバカ言うな!このチビ猿女」
「チビ猿って…!なによ、少し背が伸びたくらいで!あたしとそんなに変わんないじゃない」
「これからどんどん伸びんだよっ!やっぱり、おまえは一生そのままだ。成長なんてしないね」
「なんですってぇ!」
「なんだよ!」

泣いていた事を忘れて言い争っていた二人。
ハッと気づいたときには通行人が冷ややかにゆきと悠太を見ていた。
「バカ悠太……恥ずかしいでしょ」
「お前がわりぃんだぞ……ちびゆき」

2人はそそくさとその場を離れた。

パシャパシャと水を弾く音が響く。
無言が続いていたが、ゆきの心は何故か先程よりスッキリしていた。


やっぱり、悠太はずっと悠太だよね―――。




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