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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 59

「ちょっと美佳?!」
ゆきが揺らすと、美佳はハッとしたように動き出す。
そして、
「………で、どうだった?」
と、小声でゆきの耳元に話しかける。
「ゃ、どうって……//」
ゆきは口をもごもごさせる。
「痛かった?」
「うん。でも……」
「でも?」
「なんか、幸せだった……。」
「そっか。よかったね〜。この幸せもの〜」
「…うん。ねぇところで美佳はどうなの?」
「え?あ…えっと…」

美佳は返事に困ってしまった。


「あ、うん……もうちょっとかなぁ!!」
美佳はとっさにごまかす。実はあの屋上の一件以来、タケとは何もないのだ……。
「へぇ〜そっかぁ。」
と、やんわりと幸せそうに笑うゆきは、以前より可愛く輝いて見える。これが女性ホルモンの効果なのだろうか……。

丁度その時、
──ガラッ

教室に先生が入ってきて一言。
「ほら〜席につけよ!!」

ゆきと美佳も慌てて席へとついた。
ふとゆきと悠太の方を見る美佳。
明らかにいつもと違う。色で言うと、桜色とでもいおうか。
2人共妙にポワンとしている。おまけに時折目を見合わせ、ニヤけ顔。
2人共色ボケてるわ、と思い、『奴』の方をちらと盗み見てみる。
前の席のガタイの良い男子に上手い具合に隠れて…
机にすっかり身を預けている。背中が規則的な上下運動をする。今にも鼾をかきそうなくらいの寝込み方だ。
そんな彼に、美佳は憤りを隠せない。
(もう、なんで焦ってるんだろあたし。焦らしてる筈なのに。)
カケヒキなんかこいつ相手にするんじゃなかった、と後悔しつつ、美佳は悶々と一日を過ごした。
『はぁ…』
陽がほとんど見えなくなりオレンジから藍色に変わりはじめた教室に美佳はひとりタケの机を眺めていた。
『私の方が我慢できなくなりそうだなぁ…』
ゆきと悠太の姿をみていいなぁ…と思った美佳は不安になっていた。



一方タケも校門の前でボーっとしていた。
『あ〜早く美佳の隣で……あ〜!イライラするっ!』

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