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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 5

ゆきが以前のように悠太にじゃれる事がなくなったのだ。その上、悠太と目が合うとほほ笑み返し、それ以上悠太を見ようとはしない。
なんだあいつ――?

さすがに悠太も違和感を感じていた。


「だめだぁ!余計意識しちゃう!」
「悠太くんの事?」
「そう…意識しなうように頑張ると、いつのまにか目で追っちゃうの…」
ゆきは屋上でお昼を食べながらクラスメイトの友人に相談していた。
「それは恋よ!」
クラスメートである浅川美佳が言った。
「はぁ?!」
そんな訳ない…そうゆきが続けようとすると美佳は遮るように話しだした。
「いつもと違う態度とっちゃったり、いつも何話してたっけ?意識して上手く話せない…。それは恋だわ!ゆきは悠太くんの事スキなんじゃないの?」
私が悠太をスキ……?
私がチビでガキっぽい悠太を…スキ?いや、有り得ない。
気が付くと私を囲む女の子達は目を輝かせて私の返事を待っていた。
「好きなわけないじゃん。」
そう返事をすると、皆からブーイングを受ける。も──…、近頃の女子ときたら恋ばな好きでホント困る…。
「良い奴だと思うけど、別に好きとか言う感情はないよ。あいつチビだし、男らしくないし。なんか男性的なものを感じないんだよね〜」
「へぇ〜、そう…」
美佳はニヤニヤ笑いながらゆきを見つめていた。
「な、なに…?」
「別に〜♪ゆき、どう転ぶかわからないのが恋よ」
「はぁ…?」
「来週にはゆきと悠太君が付き合ってる可能性だってあるんだから!」
ぶっっ!思わず飲んでいた牛乳を吹き出してしまった。
「ありえないって…第一悠太はあたしのこと女として見てないもん。まぁ、あたしのこと女として扱うなら考えてやっても良いけど」
ふと、屋上から校庭を見下ろすとクラスの男子達がサッカーをやっていた。そこには悠太の姿も…
あ、意外。悠太サッカー結構上手いじゃない。あぁサッカー部だったっけ。万年補欠って噂の……。
誰が見てもゆきが悠太を意識してるようにみえるが…しかし、当の本人にはまだ気付いていない。
そして、放課後。部活が終る頃、雨が降っていた。ゆきは傘を持っていなかった。ゆきは徒歩通であるが、歩くと結構遠い。
「どうしよぅ…。」
と、昇降口で途方にくれるゆき。
「あれ?ゆきじゃん。」
と、悠太が偶然現れる。
悠太はゆきを見渡して言った。
「ゆきも傘ねーのか…」
「…て事は悠太も?」
少し沈黙が続く。
雨の音だけが響く。先に口を開いたのは悠太であった。
「俺んちすぐそこだから。傘持って来てやるよ。」
「悠太ぬれちゃうじゃん。」
「俺は平気だよ。」
「私だって平気よ!」
「お前、女だろ。」
悠太はそう言って、ゆきの返事を待たず雨の中を走って行った。
……悠太、どうしたのかしら?なんか優しい気がする…。
もしかして、悠太が私を女扱いしてるの…?
ゆきは目の前で降り続ける雨を見ながら、悠太の帰りを待った。

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