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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 36


映画の内容は…、主人公の女の子が彼女のいる男の子を好きになってしまう…そこで繰り広げる純愛そのものだった。
タケは隣りに座る美佳に視線を向けた。その視線に気付いたのか、美佳はタケに声をかける。
「何よ…?ちゃんと画面見なさいよ。」
もちろん小声だ。
「あ、うん…。」
2人は小声で会話を続ける。
「どうせ、私に見とれてたんでしょ?」
美佳は言う。
「…う……。」
タケの顔は赤い…が、映画館という暗闇の中なので、多分、美佳には気付かれていない。
「仕方ないわねぇ。ここは映画館の中らしく、手でも繋いどく?」
美佳はタケをからかう様に手を差し延べた。
チクショ──…そう思いながらもタケは美佳の手に自分の手をのせた。
からかい半分に発言した美佳であったが、思っていたよりタケの手が大きくてびっくりしていた。…こいつ…、背なんて私よりちょっと大きい位、たいして変わらないのに手がゴツいし大きい。
──ちゃんと男の子してるんだ…。
やだ!私、何でこんなに緊張してるのよ?!
もちろん隣りに座るタケもカチコチに緊張していた。何でコイツこんな余裕なんだよ…。いっぱいいっぱいなの俺だけなのか?
「くそ・・・」
小さく呟いた声は美佳の耳には届いていなかった。


「ねえねえ、手つないでない?」
「お?なんだ?」
美佳とタケがいる席から少し離れた同じ列にゆき達はいた。

「しっかりやってるじゃん、タケってば♪」
ゆきは映画より、二人の行動に気をとられてソワソワしっぱなしだった。
「なんで手つないでんだよ、あの2人」
「悠太は鈍感ね、つまりそーゆー事なの!」


「はぁ…?」
「あぁ〜この暗さじゃ2人の顔色わかんないよ〜」
「とにかくさ、映画見ない?」
「シッ、今良いところなの!」

(なっ、お前が選んだ映画だろ〜〜!!)

ゆきの身勝手な行動に少しイライラしてきた悠太は、ゆきの頬を軽くつねる。
「あ、いたっ」
「ふん」
「なに?どうしたの?」
「せっかく2人っきりのデートみたいなのに余計な事に集中すんな」


・・・・・・・
・・・・・・・・・

「妬いてンのぉ?」
「ばっ!ちげぇよ!!」

悠太ったら可愛いなぁ〜〜
そっか、そっか、ちょっとは悠太かまってあげなきゃね♪

ゆきは悠太の手に自分のものを重ねる。
「!」
「ごめんね、機嫌直して?」
悠太の指の間に指を絡ませる。
恋人同士がするような手の握り方に、悠太のテンションは一気に上がってしまう。

「いや、いいんだよ!怒ってないから」
「ありがと」



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