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同級生
官能リレー小説 - 女性向け

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同級生 3

その時――
男子がふざけて遊んでいただろう、よろけてゆきにぶつかってしまった。
「きゃっ!!」その拍子でゆきと悠太の唇があたった…!! ―ちゅっ―
バタン──2人はそのまま床へと倒れこんだ。
「うわぁっ」
「きゃあぁっ…」
慌てて2人は顔を離すが時すでに遅し…。
教室中、目撃した者がきゃぁきゃぁ、わぁわぁ大騒ぎになってしまった。
「ご、ごめ…。」
ゆきは自分の口を片手で覆い、顔を真っ赤にしながら声を少し震わせている。目には涙がニジンでいた。
そして、教室を飛び出した。
悠太は泣きそうなゆきに気付いて急いで追い掛けた。
「ゆきっ!待てって!」いつのまにか俺はゆきを追いかけて中庭まで来ていた。何度呼び掛けても振り向くことはなかったゆきが、中庭にポツリとある木の下で立ち止まった。距離をあけて俺も立ち止まる。気まずい雰囲気が流れる。……先に沈黙を破ったのは俺だった。「ご、ごめんな…ゆき」「なんで悠太が謝るのさっ」ゆきは振り向こうとせず続ける。「こっちこそゴメンだよ。あたしみたいなのとキスしたーなんて騒がれたら悠太、彼女出来なくなっちゃうよ」「それはお前だって…」「とにかく!」ゆきが振り向く。予想してた泣き顔はなく笑顔だった。
「キスのことは事故だと思って忘れて。」そういうとゆきは走って悠太のそばを離れた。
「…おい、忘れろったって…。」
悠太は困惑していた。確かに事故なのだが、悠太にとっては、『事故』の一言では片付けられない出来事となってしまった。
一瞬だったケド、ゆきの柔らかな唇…。泣くのかと思いきや笑顔だし、…ホント訳分かんねーよ。
忘れるなんて…
「無理だって。」
悠太は溜め息交じりに言い、その場に座り込んだ。
一方…、ゆきはと言うと。
──女子トイレ
「泣くな!笑え!」
鏡の前で、映った自分に向かい指をさしていた。
はぁ。どうしよぉ…。悠太に悪い事しちゃったよ。クラスの面前で……だもんなぁ。
だめだめだめ!!忘れるって決めたんだから忘れなきゃ!
ゆきは必死で自分に言いきかせていた。

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