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教授と私と方程式
官能リレー小説 - 女性向け

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教授と私と方程式 3



「何考えてんいるんですか?」
教授に声をかられたのは、美和子はがそんな自暴自棄になっている時だった。

最終講議が終わり、キャンパスに出ると風が気持ちよかった。
このまま1人の家に帰るには惜しい気がし、いつもの青年たちを目で追うが、
バイトとかデートなのであろう、皆、慌ただしく帰って行く姿が見てとれた。

仕方なく1人、キャンパス外れの、比較的に人の来ないカフェの庭席で
いつものように、ネガイティブなことを、ただぼんやりと考えていたのだ。

見上げる美和子の眼は、"え?"と言った風に、大きく見開らかれた。

「ここ、一緒に座ってもいい?」
人懐っこく微笑むその顔は、美和子の心を一瞬にして晴らした。
 
心理学の教授、速水浩平はその若さと容姿で、女学生から圧倒的に人気が高かった。
30代で教授の地位に着くこと自体稀であるのに、それに合いまった、モデル並みの身長の高さと、
清潔な顔立を持ってしては、女たちが熱を上げない訳はなかった。

美和子自身も芸能人を見るような眼差しで、速水浩平の講議を受けている1人だった。

教授を前に、美和子は顔が赤らむのが自分でも分かった。
フィルターを挟む指が震え、上がる紫煙も、微かに左右に揺れていくように思えた。
そんな煙草を、教授はおもむろに美和子の指から抜き取ると、
それを自分の唇にくわえた。
(え?)
教授は深呼吸するかのように深くそれを吸い込むと、一気に紫煙を吐き出す。
「駄目ですね。3日禁煙していたんですが、貴女がとても美味しそうに吸っているのを見て、
我慢も限界に達しました。」

「ぎりぎりまで我慢した方が快感が得られるものですよね・・よかったら・・」
美和子は教授に向かって煙草のパッケージボックスを滑らせた。

「意味深な発言ですね・・言葉に含みを持たせるは、大人の女性ならでこそです・・」
教授はまだ美和子の口紅の付いた煙草を、灰皿で円を描くように揉み消した。

「大人の女だなんて・・年令を積み上げているだけで、男性経験も無いんですよ・・」
美和子はふいに口から出た、自分の言葉に耳を疑った。
こともあろうに初対面のような教授に、何が面白くてこんなことを口走っているのだ!
言った側から後悔の念に苛まれ、頬が硬直するのが分かった。

「そんなこと関係はない。性的な行ないはむしろスポーツなようなもので、その人の教養や知性とは結びつくものではない・・」

美和子は自分の発言に怯むことなく、理論性然と語る教授に驚いた。
「それは嬉しい褒め言葉ですは・・それでもこの歳で経験もないというのは、気が引けます・・」

「そんな気にすることではない・・女性なら珍しいことではないのでは?」

「ええ。分かっています。こんな女も意外に多いことも知っています。でも・・」


「日本では多いと聞きました。先日も4年に1度行なわれる性に関する調査では、男女問わずその経験年令が上がっていると・・」

「私も読みました。確か男性は20歳まじかとか・・」

「経験人数も減っているようですね。40の既婚者だと三・四人だと・・それには風俗も含まれるようですから、
真面目に生活している一般女性に未経験者が増えるのも、考えたら分かることです。」

「ええ。分かっているんです。だけど・・だからといってそれで納得するのも何だか違う気がして・・」

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