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教授と私と方程式
官能リレー小説 - 女性向け

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教授と私と方程式 2


それは頼りなさを指摘される、美和子の同年代の男たちとは明らかに違っていた。
それでも、背伸びをしない、現実主義の今の男の子たちに、頼がいを感じるか?と問われれば、
それは首を横に振ってしまう・・・
そんな若い男の子を、私は横目で見ていた。

かといって、私がキャンパス内で天涯孤独であったかというと、そんなこともなかった。
10も年下の、弟と言うには歳の離れ過ぎた男の子たちと、キャンパス内のカフェテリアで
講議までの空いた時間を潰すこともあったし、
帰宅時間が重なれば、誰ともなく誘い合い、居酒屋での男子トークに混ぜてもらうこともあった。
そんな、20前の男の子たちと触れ合う機会など、
普通にOL生活を送っていた時分には、あった訳もなく、
あったとしてもそれは、就活に会社訪問に来た、リクルートスーツに化けた男の子たちで、
それはもう、"社会"という組織社会に、全身を突っ込んだオヤジたちと、何ら変わらなく見えた。

そんな少年に毛がはえただけの男の子たちと接する時間を、美和子は好きではなかったが、嫌いでもなかった。
会う度に新鮮な気持ちになれたし、同年代の女の子に比べて、男の子たちの幼さに驚いたりもした。

それは、29の美和子から見ればかなり可愛く写り、
自分に母性本能というものが存在していたことに、気付かされたりもした。


そんな男の子たちが、自分を性の対象として見ていることは、気が付いていた。
初体験の相手としては、申し分ない年齢差・・・そう考えるのも、分からなくはなかった。
年上の女から教えてもらう・・そんな受け身の行為から初まる映画を、どこかで観たような気もした。
そしてそれは、受け身体質な今の男の子たちにとって、童貞喪失の最も楽な方法なのだろう、とも思えた。

しかし美和子は、そんな男の子たちの相手をするつもりなど、更々なかった。
女の初体験に比べると、男の初体験はそれほど記憶に残らないことも、男友達に聞いて知っていた。

そんな記憶にも残らない、ただの自己満足、友達への自慢、女の身体への好奇心・・
そんなもののために、女を踏み台にするぐらいなら、草食男子を貫いて、一生自慰だけしていて欲しかった。

確かに、今の時代の男の子たちの童貞喪失年令が平均19.4歳と、上がっていることは知っていた。
その人数の大部分を、風俗が絞めることも知っていた。

今の時代、異性と付き合い、ちゃんと初体験を向かえる男の子たちは、どのくらいいるのだろう?
その疑問は、彼氏居ない歴29年の美和子自身に振り返ってきた。

さりとて美和子も、女としての性欲もちゃんと持った、健康な女だった。

鋼のような若い青年たちの身体を目の当たりにして、眩しくない訳はなかった。
引き締まった美丈夫な尻を見ると、つい手を伸ばしたくなることもあった。
腰で締められたズボンの前の膨らみを見ると、ついその中身を確かめたくもなった。

美和子ぐらいの歳になると、それを抑えることなく、一夜の遊びと割り切れる女友達も知っていた。
セックスを男同様に、軽く考える女たちが、増えている現状も把握していた。

それでも美和子には、そこに踏み込めない何かが絶えず存在していた。
それを道徳心と呼んでしまえば、それだけかもしれなかった。
それを持っていてはいけない訳はなかった。

されど・・・29だった。

バージンの女の、更年期が早く来るのも知っていた。
早い女では、30代始めにやってくるのも聞いたことがあった。

子供が産めなくなる身体・・・
女であって、女ではなくなるような・・・そんな恐怖にも似た思いがもう直ぐそこに迫り来ていた。

頑な思いなど捨てて、自分の為に男と寝る必要がある・・・

そんな自分が、そんな29の自分が、美和子はとても悲しかった。

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