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教授と私と方程式
官能リレー小説 - 女性向け

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教授と私と方程式 1

恋をしたことが無い訳ではない。

ただぜーんぶ、片想い。

浅見美和子  29才。
彼氏居ない歴も、.....29年。

私にはいつ恋人が出来るのかな。


仕事を辞めて大学院に通い始めたのは
三ヶ月前。

自分の夢も何にも無くて、目の前にある線路をただ歩いて来た。

真面目に仕事をしてきたし、特に問題もなく、生きてきたが、四ヶ月に両親を、交通事故で亡くした。


その時に気付いた。

私にはナニモナイ。

むなしかった。



お葬式がおわり、仕事に戻る。

なにも変わらない日常にビックリするほど
馴染んでいる自分がいた。

おかあさんも、おとうさんも、
一週間前に死んだというのに、
私は、悲しくないのかな?
何してるんだろう。

気がついたら、線路を見つめていた。
これから歩んでいくであろう線路・・・

今まで歩んできた線路・・・
人と比べ、特別に容姿が劣っているとは思えなかった。
人と比べ、特別に性格が悪いとも思えなかった。

女子トークでは恋の相談役になることも増えてきた・・・
耳年増だけの私のアドバイスを彼女たちは頼りになると喜んだ・・

男という存在が全く近くにいない訳でもなかった。
気軽に話し合える、学生時代からの男友達も存在している・・・
2人きりで飲みに行く、昔の会社の同僚や後輩も何人かはいた・・・

それなのに、なぜ?・・・

29才・・
この年令に私のような女は少なくはないのは知っていた。

男たちにモテ囃される時期を真面目に過ごし、
其れが故に、気付いた時には"恋人"の対象枠を飛び越え
"理想の妻"としての着眼でしか男たちに見られなくなる、この年令・・

そこそこのキャリアを積んできてはいても、"理想の妻"などとは遥かに遠く
返って妻業などは、御免だとすら思えてしまう、この年令・・

私はもう、恋はしてはいけないの?

29才は結婚前提に考えなければ、男の人と付き合ってはいけないの?

それでもまだ29・・・。
まだまだこれからだと自分の背を押し、大学院に通い始めてはみたものの
キャンパスで私は、浮いていた。

初潮を向かえたその時期に、子を身籠ったとしたならば、丁度このぐらいの年令になるのだと
あり得なくもない現実に眉をしかめ、18、9の子供たちを見ることさえもあった。

それでも私が大学を卒業した7年前とは、確実に男の子たちは変わっていた。
たったこの7年間に、何があったの?と思うほどに、男の子たちはクールになり
各々自分を弁えているように見えた。
それは、私の学生時代の頃よりもかなり大人で、自分を顧みずに高い壁でもチャレンジしてよじ登るような、
そんな無茶は決してしないように見受けられた。

それは、好きな女の子に対しても・・・
自分が本当に好きな子とは付き合わずに、自分を好きになってくれる子としか付き合わない・・・

告白にしても・・・
自分からは決して好きだとは言わず、あの手この手を使って女の子の方から告白をさせる・・

そんな男としての潔さが無くなっていた。

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