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弱小事務所の憂鬱!?
官能リレー小説 - アイドル/芸能人

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弱小事務所の憂鬱!? 9

一ノ瀬さんの興した事務所には、ほかの大手からも人気声優が多数移籍しそこそこ大所帯になっている。
やはりこれまでの実績所以だろうか。

「数年前からじゃ、想像もできなかったな」
「ええ、すっかり変わりましたね」
「そっちはうまく行ってるか?」
「ようやく軌道に乗れたってところですかね」

一ノ瀬さんも所属し、僕もマネージャーをしていたところは、元は最大手と言ってもよかった。
普通なら離れる理由は見つからない。
しかし、それをも揺るがす『事件』が起こった…数年前のことだ。

当時の社長が、養成所の生徒に対する猥褻行為で逮捕された。
これをきっかけに、ネット上では『枕営業は存在するのか』なんて議論まで起きてしまった。

副社長でもある奥さんと社長の実弟である専務は責任を取り会社を解散する事を決めた、まあ一之瀬や私には子会社として独立させる計画もあったらしく修正して実行したと言う形だ。私は一之瀬に愛美を預ける事も考えたが彼女は断って私に付いてきた。事件後は本当にアニメの仕事は減ったがその分彼女の兄夫婦の仕事で如何にかやっていけると言う状況が続いていた。
「本当に三人もあずかってくれて助かるよ、愛ちゃんには例の仕事を頼みたい」
「了解、詳しい日時は彼女のスケジュール次第だ。何人位になる?」
「余所の連中も来るからかなりの数だ」
例の仕事とはエロゲの喘ぎ声講座だ、彼女の声はもはや芸術の域と言うよりも性行為の光景が脳内再生出来ると言う。一応道義的責任上、講座参加者は満18以上限定としている。
愛美の兄夫婦は地元でエロゲ製作会社をしているが地方に拠点を置く所では声優が身近に居ないのがネックになる。今現在声優は1,400人程、これに事務所預かりの新人を含めると2,500人、その中で女性でエロゲーを引き受けるのは女性声優は一割も居ない。しかも声優は仕事の関係上東京周辺に住んでいるのが多い、なので地方にあるエロゲ製作会社は交通費まで出して来てもらうしかないのだ。更にその声優で作品に使えるかどうかは収録してみないと分からない。使えなかった場合は後日になるがまた交通費がかかる……これが結構な出費になる。愛美もエロゲ声優にされたのは義姉から“近くに住んでいる人を育成”した方がマシと言う理由もある。

声優だって全てが仕事にありつける訳でもなく、新人にとってはアニメの端役どころかゲストすら遠い……そんな中で未知のエロゲなんて仕事をせざる得ない、モノにならなければ声優にとっても転職するべきか迷いも生じる。
「うちからもエロゲ専門になっている子も出始めてな……」
一之瀬としては新人が辞めるのは痛い、とは言え実力がほぼ全てと言うのが声優業界の現実だ。声優に付加価値を付けるとしたら英語を初めとする外国語があるが、こちらは日本語が話せる外国人声優の方が優位だ。先週のグラビア撮影も受けざる得ないのも声優は如何に厳しいか物語る。

「それよりもグラビア撮影したそうだな」
「早いなぁ」
「声豚らの目撃例がネットであがっていたぞ……あれ本職よりもいいじゃないか?」
画像見たんだな……ため息をつきました。

前にも言ったが、女性声優のルックスは以前よりも格段に上がったといわれる。
最近は人気声優になると写真集を出したり写真週刊誌のグラビアにも出たりする。

「ウチにも話が来てたんだけど…どうだった?」
「まあ、悪い話じゃないですけどね。お世話になった編集長だし、何より彼女たちも楽しんでましたから」
「そうか…」

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