PiPi's World 投稿小説

弱小事務所の憂鬱!?
官能リレー小説 - アイドル/芸能人

の最初へ
 12
 14
の最後へ

弱小事務所の憂鬱!? 14

…さて、そんな出来事から数週間。

深夜、就寝中の私を携帯の着信音が叩き起こす。
画面に表示されたのは『紺野愛美』。

「…こんな時間になんだ」
『今アフレコ終わったの…迎え欲しいよぅ…』
「まだ終電の時間じゃないだろ」
『今日の収録ハードで…駅まで歩く力もないよ…』

声を聞いただけで、愛美の疲労の具合がわかる。
こんな彼女は年に一、二度あるかないか。

アフレコの時間に決まりは存在しない。
朝早くから行うこともあれば、このように夜中までかかることだって珍しいことではない。

通話を終えると、私はやれやれと身体を起こし着替える。
車のキーを持って玄関を施錠し、愛美を迎えに行く。

「お疲れ様だな」
「…今日はしんどかったよ」
あの愛美がこの表情、今回の作品はいったいどんなものなのだろうか。

「明日…というかもう日付変わってるから今日か…休みか?」
「うん、大丈夫」
「家まで送っていくからな」
「あ…いいよ…晋也の家に泊まらせてよ」
「お前、本気で言ってるのか?」
疲れているくせに言うことは言う奴、それが紺野愛美である。

「本気。どうせ独り身なんだから」
「お前も人のこと言えるのか?」
つい先日、前の事務所の同期が結婚した。
それをからかって言ってみたのだが

「いいじゃん、お互い様」
「…まったく」

拒んでも仕方がないので、私のマンションまで連れて行く。

「久しぶりだ、晋也の家」
「そうだっけか?」
「なかなか連れてってくれないんだもん」
「人を呼ぶほどの家じゃないんだぞ」
このやり取りは事務所の社長と所属声優…というよりは、気心知れた友人、もしくは恋人のほうが近い、のかもしれない。

「お邪魔します♪」
迎えに行ってから数十分、当初はかなり疲労と憔悴の色濃かった愛美だが、少しずついつもの笑顔を取り戻しつつあった。

「まあ、とりあえずシャワーでも浴びとけ」
「ありがと」
愛美を浴室へ連れて行くと、彼女は中へと入り服を脱いでシャワーを浴びに行く。
ひとまずこれで良い。

SNSでこの小説を紹介

アイドル/芸能人の他のリレー小説

こちらから小説を探す