PiPi's World 投稿小説

Infinity〜若社長とグラドルたちの日常
官能リレー小説 - アイドル/芸能人

の最初へ
 0
 2
の最後へ

Infinity〜若社長とグラドルたちの日常 2

優梨子の運転する車で向かったのは、オフィス街の外れにある居酒屋。
賢「あの…僕…」
麻「ちょうど晩御飯の時間だったからさ、坊ちゃんも一緒にね」
賢「僕が未成年だって…」
優「未成年だから居酒屋に入れないってことはないのよ。お酒を飲まなければOK」
賢「そうですか…」
優「私も運転してるから飲めないし」

店の中でそれぞれ注文して、3人で会話しながら食事を楽しむ。
麻「えーと、今日は…いいか」
麻衣子が大の酒好きというのは、賢太郎も知っていること。
普段なら一杯目から生ビールをジョッキで行くのに、今日はなぜかアルコールの弱いカクテルを注文している。
賢「麻衣子さん、今日はおとなしめですね」
麻「坊ちゃんはともかく、優梨子さんも飲めないんだもん、つまらないじゃん」
あっさりと言い放つ麻衣子。

麻「そのかわり、こうしちゃおっと」
麻衣子が賢太郎に抱きつく。
賢「あ、あの、麻衣子さん…」
麻「んー?坊ちゃん、私らといるの嫌い?」
賢「いえ、そんなわけないですけど」
優「賢くん、そんな考え込まなくていいんだよ」
優梨子も諭す。
優「私たちはみんな自分で頑張ってるんだから。未成年の子も多いけど、みんなしっかりしてる子ばかりだし」
麻「パパさんはそのへん全部教えてくれたしねー」
パパさんとは賢三のこと。
麻衣子も単身で夢をつかむべく上京してきたので、賢三が父親代わりなのである。

賢「父さん、か…」
麻「ん?どしたの、坊ちゃん」
賢「いえ、僕に、父さんみたいなことができるかどうか、すごく不安で」
優「それで、少し浮かない顔してたのね」
賢「え、ええ」

麻衣子が健太郎の肩をポンとたたく。
麻「別に坊ちゃんが今すぐパパさんみたいになる必要はないよ」
賢「そ、そうですか」
優「お父様と賢くんは違うもの。無理に追う必要はないのよ」
賢「まあ、そうですよね」

賢太郎は話を続ける。
賢「うちの事務所も、人がたくさん抜けて、11人になってしまいました」
麻衣子と優梨子は黙って彼の話を聞く。
賢「でも、僕にはあれだけの大人数をマネジメントできる力はないので、それでよかったと思うんです」
二人が見る賢太郎の顔は、少しさびしげにも映った。
賢「ここから誰もいなくなれば、後継ぎのことも考えずに普通の生活に戻れると思ったのですが」

賢太郎は二人のほうを向く。
賢「お二人は、どうしてここに残ろうと思ったんでしょう」
賢太郎の問いに、嘆息する二人。
優「それは愚問よ、賢くん」
賢「えっ」

麻「今の私があるのは、すべてパパさんのおかげ。そんなパパさんが興したこの事務所を離れるなんて、考えることなんかできない」
賢「麻衣子さん…」
麻「パパさんはもうこの世にはいないけど、きっと見守ってくれてるはずだと思う。私も、優梨子さんも、坊ちゃんも」
真剣に語る麻衣子に、賢太郎は言葉が出ない。
麻「パパさんに恩返しをしなくちゃいけないんだ。それと、坊ちゃんを男にするんだ」
麻衣子が賢太郎を見つめる。

麻「なーんてね」
賢「麻衣子さん…」
優「麻衣子が言ったとおりよ」
優梨子が健太郎の肩に手を置く。

優「今、この事務所にいるのは、お父様に恩を感じている子だけ。その思いがある限り、みんなここから離れることはないわ」
賢「そう、なんですか」
麻「そういうこと」

SNSでこの小説を紹介

アイドル/芸能人の他のリレー小説

こちらから小説を探す