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操妃学園にて・・・
官能リレー小説 - アイドル/芸能人

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操妃学園にて・・・ 4

本屋に向かう為に十字路を左に曲がった所で、莉菜の視界に自動販売機の前で屈んでいる男の姿が入ってきた。
「どうしました?具合でも悪いんですか?」
莉菜は、その男に声をかけた。
「いや、具合が悪いんじゃないんです。ちょっと…」
男は、申し訳なさそうに返事をする。
よく見てみると、男は自動販売機の下を覗き込んでいた。
『あっ…もしかして…』
何かピン!ときた莉菜は、辺りを見回して、タバコ屋の主人から少し小さめのほうきを借りてきて、
「これを使ったらいいですよ。」
と、男に声をかけた。
男は、チラッと利菜のほうを見ると、
「すいません…助かります…」
そう返事をすると、申し訳なさそうに頭を下げて、ほうきを受けとって、自動販売機の下を探り始めた。
「あっ…あった!」
何回か自動販売機の下を探っていると、細かなゴミと一緒に500円玉が出てきた。
「いやぁ、助かりました。給料日前で、ただでさえ困っていたのに、ジュースを買おうとしたら500円玉落としちゃって…」
男は、恥ずかしそうに頭をかきながら、莉菜に何度も頭を下げながら感謝の言葉を繰り返した。
「いや、困っているのに何もしないでってわけにはいかないでしょ。」
男の態度に恐縮してしまった莉菜が、今度は恥ずかしそうに頭をかいていた。
「何か御礼をしたいんだけど…」
莉菜が恥ずかしそうに頭をかいているのを見た男も、申し訳なさそうに頭をかきながら言う。
「いえ、そんな…御礼だなんて…」
「そうだ!もしよければですけと、珈琲…飲みませんか?」
男が頭をかきながら言う。
『あれっ…何かナンパされてるのかなぁ?』
正直、急に珈琲を飲まないかと言われて、莉菜は警戒してしまった。
「ええ、いいですよ。」
心の中では男に対して警戒していたのだが、莉菜は、思っていた事とは反対に男の申し出を笑顔で了承した。
『あっ…あれ?私ったら、なんで???』
自分がした返事に戸惑っていると、
「俺、喫茶店でバイトしてるんで、珈琲の淹れ方には自信があるんですよ。」
と、嬉しそうに男が言った。
「俺の家、このアパートなんですよ。どうぞどうぞ。」
男に言われて、男の後をついて行く莉菜。
普段なら絶対にそんな事などしないのに、何故か男に促されるがままについて行く莉菜…
男の部屋は2階という事なので、階段で移動する事となった。
「いやぁ、ほんとに助かったんですよ。」
階段を上がり終えて、自室までの間も、男は感謝の言葉を繰り返していた。
『ほんとに困ってたんだなぁ。良い事してあげれて良かった。』
男の様子に、莉菜は素直に嬉しく思っていた。
「あっ!ここです。」
男が振り返って言いながら、ズボンのポケットに手を入れて、部屋の鍵を取り出し、玄関を開ける。
「さあ、どうぞ。男の1人暮らしですから、ちょっと散らかってますけど……」
男が、頭を掻きながら莉菜を促した。

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