姫騎士・リリーの冒険 8
通常の花でいえば雌しべの部分に、人の女性の上半身がくっついているのだ。
年頃はリリーの母親であるマリーと同じぐらいであろうか、艶然として笑みを浮かべている。
「ほっほっほっ、今宵は何と素晴らしき夜じゃ。我の子を孕む雌が二匹も現れるとは」
「クッ……あれはアルラウネ(しまった。それに今は繁殖期じゃない……)」
(何なのよアレは………化物!)
自分とミーヤを舐めるようにみて孕ますと言う怪物に嫌悪感を感じたリリーは化け物を睨む一方で自分の不甲斐なさに悔やんでいた。一方のミーヤはただ、恐怖で固まっていた。
「ふふふ、なかなか肉付きのよいおなごじゃ
これなら元気な芽が生えるじゃろうのう」
アルラウネがそう言うと、リリー達を縛っていた蔦から粘液が染みだした。
その粘液はリリー達の鎧や布に付着すると、それらを溶かし始めた
「キャー、嫌嫌イヤー!!食べないでー!!」
ミーヤは多いに取り乱し、じたばたするが、太い蔦はびくともせず、逆にきつく絞まってしまう
「煩い奴よのう。食べたりせんわ。ただ、ちょっと体の中を借りるだけじゃよ
その後の事は知らんがのう」
ホレ、これでお前の中に種を撒くのじゃ。
そう言って、ミーヤの目の前に出されたモノは、アルラウネの産卵管だった。
大きさは周りの蔦の方が大きいくらいだったが、形状があまりにグロテスクで
凶悪なイボ付きのペ〇スを想像してしまうような形だった
「!!!!」
あまりの恐怖に絶句してしまうミーヤ。だが、対するリリーはしっかりと冷静だった。
「準備完了♪ファイアー!!」
突然、リリーの体が燃え上がったかと思うと、リリーを縛っていた蔦が焼け切れ、リリーが解放された
リリーは急いで剣を抜くと、突然の事で驚き戸惑っているアルラウネを他所に、ミーヤを縛っていた蔦を切り落とした。
すかさず、リリーはミーヤの腕を取って逃げ出した。
「ウギ…ウギャアアアアア!!!!お、おのれ小娘がぁ」
蔦を切られたアルラウネは憤怒の形相で逃げた二人を追うのであった