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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 269

ちゃんと日記として書かれていたのはそこまでだ。
それ以降は損傷が激しく、ところどころしか読むことができない。
そこには『会いたい』などテレサという女への思慕や見つからないことへの恐怖がつづられている。
そして日記の最後には。

『テレサはここにはいないのか・・・?』

とだけ書かれていた。
きっとこの日記の主はテレサと言う仲間を助けるために、1人この迷宮を後にしたのだろう。
迷宮を隅々まで歩き回り、それでも見つからない恋人がまだ生きていると信じ続けて。
大切なものを失ったかもしれない、なくした絶望はどれほどのものかは体感したものにしか理解できまい。
オレはいつ失うとも知れない自分の命や女たちのことを考えながら部屋を後にした。
これ以上ここにいると、どんどん思考がネガティブになって行きそうだったから。
それからオレはこの部屋の出来事を忘れようと、今まで以上にソウルイーター探しを再開した。
日記の最後の言葉を頭の中で何度も反芻しながら。

――――

荒れ果てた部屋を後にして30分後。
オレはようやくソウルイーターがいるであろう場所を特定することができた。
・・・できたことはできたのだが・・・。

「いや、ぶっちゃけありえねーだろ、コレは・・・」

ブウウゥゥゥンン・・・ッ

そこはあらゆるものの侵入を拒むかのように、すさまじいエナジードレインが行われていた。
並大抵の魔物なら、間違いなくミイラになって死ぬだろう。
いや、それ以前に本能がここに近づくことを嫌がるだろうな。
とにかく、待たされた彼女がすっごくご立腹なのは理解できた。
しかしいくらオレが異名持ちを倒すほどのレベルとは言え、ここを進むのはちょっと気が引ける。
気づいてもらうまで声を上げて、ソウルイーターに直接来てもらうか?
それともオレが出向いていくか?
さて、どっちにしたものかな?

「・・・よし」

パンっ!

オレは頬を叩いて気合を入れると、その一歩を踏み出した。
ソウルイーターのところへ歩いていくことにしたのだ。
危険ゾーンへ足を踏み入れた瞬間、身体に重力が増したようなそんな感覚がする。
もちろん重力が増したのではなく、吸われるエネルギー量が増して疲労をそう錯覚しているのだ。
気合を入れておいて正解だった。
そして危険ゾーンと化した最下層を歩くこと、さらに10分。

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