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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 19

窓から見ると、ポルンがマイリーの神官らしい女性に叱られてるのが見えた。
ペコペコと頭を下げる仕草が可愛らしかった。
しばらくするとこちらの視線に気がついたのか、こっちを見てブンブン両手を振り回してる。
たぶんサヨナラと言ってるんだろう。
こちらも返礼に手を振ると、さらに動きを大きくした。
頃合いを見て、神官がポルンの動きを止めた。
神官はこちらを見ると、深々と頭を下げた。
そして3人は辻馬車に乗り込み、立ち去った。
「あのポルン手娘も気になるけど、マイリーの神官や雷神ティーエも気になるわね」
指をおとがいに当て考えると、外出着に着替え始めた。
「決勝は10時だったわね、何とかコネを使ってチケットを手に入れないとね」
リリスはしばらくあの3人を監視することにした。
リリス以外にも、ファニーを見つめる目があった。
昨夜、ファニーの正体を一目で見破った男、オーガーキングのマモンである。
「ファニー、必ずや俺の物に・・・」
男はフードで身を隠し、娼館の陰に隠れてファニー達を見送った。
「お頭・・・」
そのマモンに声をかける者がいた。
その者もマモンに負けず劣らぬ巨体だった。
「出発の準備は調うております。いつでも命を発しください」
「そうか、ではいくぞ。目標はモンデール王都だ」
アモンはひっそりとその場を立ち去った。
馬車が宿舎に着いた時、ファニーはひどく消耗していた。
馬車に乗ったとたんにアンナの説教は再開された。
最初は大声でしかっていたが、最後のほうはシクシクと泣きながら説教を続けた。
ファニーは自分が一方的に悪いと思っていたので、そのまま黙ってアンナの説教を受け入れた。

宿舎に戻ると、決勝戦に備えて準備を始めた。
風呂に入り身を清め、軽い柔軟体操をした。
昨夜の酒の影響もなく、体調は万全だった。
試合開始の時刻が刻々と迫っていた。
カツーン、カツーン
ファニーは大闘技場へと続く通路を、歩いていた。
通路にはファニーとティーエたちのほかに誰もおらず、静まり返った空間に、靴音だけが響いていた。

(いよいよ始まるんだ…)
ファニーには余計な緊張も疲れも無かった。
むしろ昨日一晩遊んだおかげで、心身ともにリラックスしている。
(やるだけのことはやった。あとは勝つだけね)
ファニーが通路から現れると、大歓声がわきあがった。
客席は超満員、皆が謎の美少女剣士を一目見ようと集まったのだ。
大会が始まってからファニーの人気はうなぎ上りだ。
可憐な美少女が、大男たちをバッタバッタとなぎ倒す様は、見ているものに痛快感を与えた。

今ではアイラ島でも一、二を争う人気者だ。
ファニーと時同じく、反対側の通路から対戦者が現れた。

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