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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 1

「ふぁ〜、もう退屈だな〜」
たった今、はしたなく大口を上げてあくびをした少女の名はファニーという。
正式な名前はファニー・ヘンドリック・モンデール。
モンデール王国の第一王女である。
金色の髪、大きな青い瞳、バラ色の頬、小さくかわいらしいピンク色の唇。
外見だけを見れば、完璧なお姫様なのだが、実はとんでもないじゃじゃ馬姫だったのだ。
礼儀作法の稽古よりも剣術の稽古、舞踏会よりも狩猟、恋愛小説よりも冒険小説が好きで、とにかく活発なお姫様だった。

いつか退屈なお城を抜け出し、冒険の旅に出たい。
そんなあこがれを抱くようになったのです。
否、あこがれるだけでなく、それを実行に移そうとしていた。

「姫様、いつまでもバルコニーにいてはいけません。吹きさらしの風は、お肌と髪に悪いですよ」
ファニー姫に声をかけたのは、侍女のアンナだった。
「アンナ、決めたわ」
「何をですか」
「わたし、冒険の旅に出るわ」
「姫様いけません、冒険なんて危険すぎです」
「危険なのは承知よ、でもわたしは外の世界を見てみたいの。このままお父様の言うとおりに結婚して、一生この城で過ごすなんて耐えられないわ」
「姫様・・・」
ファニー姫が冒険の旅に出る決意をした原因、それは父王から見合いをするように命じられたのだ。
相手は隣国の第2王子であり、見合いをする前からすでに結婚することは規定の事実となっていた。

もし結婚すれば、自分は一生を冷たい城中で過ごすことになる。
それなら結婚前に一度でも良いから外の世界を見てみたかった、自分の力で生きてみたかった。
アンナにはファニーの決意が、痛いほどわかった。
「姫様、姫様の気持ちは痛いほどわかります。ですが街の外には魔王グリンデの手下のモンスター達がうようよしてるのですよ。それでも行くのですか」
「それでも、わたしの決意は変わらないわ」
「わかりました。ならばこのアンナ、お供をさせていただきます」
「ありがとうアンナ」
「ただ、旅立ちの前に少し約束して欲しい事があります」
「何かしら」
「一つはモンデール国内を出ない事、もう一つは3ヶ月以内にお見合いの日までには戻ることです」
「わかったわ、必ず守るわ」
アンナは三日間かけて準備し、何とか見張りの目を誤魔化し姫を城の外へ連れ出すことに成功した。

「うーん、やっぱり城の外は気持ち良いわ」
ファニー王女は革の鎧に革の盾、革の帽子を装備した。
綺麗な金髪を、革帽子に押し込み目立たないようにした。

一方アンナは戦の神マイリーの神官の装備を身に付けていた。
「それにしても未だに信じられないわ、アンナがマイリー様の神官だなんて」
「これでも正式な神官位を祭司長様からいただいてるのですよ、ウォーバードだって歌えますし」
「そうなの、じゃいざって時には期待してるわ」
「おまかせください。それじゃ出発しますよ」
こうして二人は旅だった。
二人の目的地は、アイラ島だ。
アイラ島には巨大な闘技場があり、そこで剣術の大会が開かれるのだ。
その大会を観戦するのが、旅の目的なのだが、アンナには黙っていたが、ファニーはその大会に参加するつもりだ。
すでに偽名で参加申込みをしており、出場は可能だった。
アイラ島に行くには、王都から街道で西へ下った所にある港町フォレントから出る定期船に乗らなければならない。
フォレントまでは歩いて一月、大会は予選を含めて二週間。
お見合いの日までには、余裕をもって変えることが出来た。

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