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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 20

もう一方の対戦者も女性だった。
名はシャーリー・バンクス、年齢は25歳でファニーとは対照的に成熟した女性だ。
女性だけで構成される傭兵部隊『雌豹旅団』の三番隊組長だ。
この大会にはすでに二度出場し、前回は準決勝で敗れている。
今回は女性初の優勝を目指し、ここまで勝ち抜いてきた。

決勝戦は大会史上初の女性同士で行われる事になった。

『ファニー、相手の剣を見てみよっ!』
 突然、ファニーの頭の中にミネルバの声が響いた。
「なっ、何よ突然」
『あの剣、ゴロスの持っていた剣のうちの一つじゃ』
「えっ!?」
 そう言われて、ファニーはシャーリーの持っている剣をよく見てみた。
 長さは1.5メートルほどの幅広の両刃の剣で、柄には紫の宝玉が埋め込まれていた。
『どうじゃ、思い出したか?』
「えーと…持っていたような…」
『ちゃんと思い出さんかっ! あれは妾と同じ神剣の一つじゃ!』
「神剣!?」
『その通りっ!』
 今度は違う声がファニーの頭の中に飛び込んできました。
『我が名はネメシス。復讐の女神ネメシスじゃ』
『ここであったが百年目、ここで決着つけようぞミネルバ』
『望む所よ、どっちが上か今日こそはっきりさせる』
どうやら互いに因縁あるようだった。
「ちょっと何勝手なこといってるのよ、戦うのはわたしなのよ」
頭の中で喧嘩が始まり、パニくってるファニーに対戦相手のシャーリーが声をかけてきた。
「どうやら貴殿の剣も神剣のようでござるな。なんともはや不思議なことでござる」
これから決勝だというのにのんびりした声であった。
まるでこれからお茶でも飲もうかと、誘っているみたいだった。
「貴殿は今まで神剣を使っていなかったようだが、この試合でもそうするでござるか」
「それは・・・」
今までファニーはミネルバの剣を使っていなかった。
神剣の力ではなく、自分の純粋な実力で戦いたかったので今まで使わなかったのだ。
ダス・ライヒの呪印に対するために背中にくくりつけていたが、試合では一度も使った事がない。
「こちらとしても必勝を期したいので使わせてもらうが、貴殿はどうする」
あくまでもにこやかに、しかし幾分挑発を含みながら問いかける。
「わたしは・・・」
神剣の威力は知っている、しかし自分は姫ではなく、自分一人だけに力を確かめたくてこの大会に参加したのだ。
「わたしは、自分の剣で戦います」
『おい待て、妾はやつとの決着をつけねばならんのだ』
「ごめん、それはまた今度ということで」
『今度っていつだ』
剣と言い争いしているファニーを見て、シャーリーは小さく笑った。
「変わった御仁だ。しかし気に入った」
そう言ってネメシスをしまい、自分の愛用の剣を構える。
「良い死合をしよう」
それはまるで雌豹のほほえみだった。
シャーリーの微笑みをみて一瞬気圧されそうのなるも、ファニーも笑顔を見せて対抗する。
「こちらこそ、胸の大きさの差が、戦力の差でないことを教えてあげるわ」
ファニーは鎧の上からでも分かるシャーリーの豊かな胸のふくらみにビシリと指さす。
人よりもかなり貧相な胸のファニーは、おっきいおっぱいには、かなりコンプレックスを抱いているのだ。
「本当に変わった御仁だ」
指さされても、シャーリーは怒らず、開始線へと移動した。
それを見てファニーも移動する。

二人が位置に着いたのを見て、審判役の高司祭が両腕を天高く振り上げる。
「これより、決勝戦を始める。両名ともマイリー神の御前で勇者に恥ずかしくない仕合を行うことを切に願う。それでは、試合開始ー」

講師債の両腕が振り下げられた瞬間、アイラ島剣術大会史上初の女性同士の決勝戦が火蓋を切った。

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