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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 18

そう、リリスはただの娼婦ではなく、導師級の魔法使いでもあるのだ。
この娼館、表向きは会員制の高級娼館であるが、裏ではグリンデ側と闇取引の場に使われていたのだ。

しかし、この娼館にはさらにもう一つ裏の顔があった。
それは各国がグリンデ側の情報を収集するための場所だった。
娼婦達は卓越した性技でグリンデ側のモンスターを篭絡し、その情報を聞き出した。
彼女らは娼婦としての技能はもちろん、戦士や魔法使いとしても卓越した能力を持っていた。
オーナーであるニコラは、人間とモンスターの両方に便宜を図り、利益を得ていた。

無論リリスも某国の情報部員であるが、男よりも女の子がすきという性癖を持っていた。

リリスは寝ているファニーの額を指でなぞりながらつぶやいた。
「まあ、この呪印があれば、いつでも好きにできるわね」
何とリリスはダス・ライヒの呪印の上に、自分の呪印を上書きし、新しく操りの術をかけたのだ。
「この呪印さえあれば、どこにいようとこの娘はわたしの物・・・」
そう言って不気味に微笑んだ後、ファニーの唇の軽いキスをした。
「これくらいなら良いわよね、じゃお休みなさい」
そのままファニーの隣に寝ころんだ。

翌朝、ファニーは窓から差し込む光を感じとり、目を覚ました。
「うーん、今度こそ朝・・・」
「そう朝よ、だから早く顔を洗いなさい、朝食ができてるわよ」
首だけ横へ向けると、リリスが朝食の準備をしてるのが見えた。
「おはようポルン」
「おはようリリス、夕べはごめんね、なんだか迷惑をかけたみたい」
「そんなこと無いわ、助けてもらったのはこっちだし。ところで体の方は大丈夫、頭とか痛くない」
ファニーは寝ぼけた頭で考えるが、特に頭が痛むとかの二日酔いの症状はなかった。
「そう、なら今日の決勝には何の支障もないわね」
「決勝…そうだ忘れてた」
ファニーはあわてて起き出し、顔を洗う。
「そんなにあわてなくても、まだ十分に時間が有るわ」
「それはそうだけど・・・」
決勝の時間よりも気になるのが、アンナとティーエの二人である。
今頃真っ赤になって怒ってるだろう二人のことを考えると、早く帰らなければと気がせいて仕方がなかった。
「大丈夫よ、宿舎の方へ使いを出したから、仲間の人たちもきっと安心してるわよ」
「はあ、そうですか・・・」
そう言われても、とても安心できる物でなかったが、とりあえず朝食をとることにした。
朝食をとりながら、リリスは密かにファニーの様子を観察した。
ファニーのテーブルマナーは完璧だった。
食器の音は立てないし、口から食べ物をこぼす事もなかった。
(かなり行き届いた教育がされてるわね、姫様というのは間違いないかもね)
朝食が食べ終わる頃、娼館の前に一台の辻馬車がとまった。
そして中から飛び出したのが、アンナとティーエだ。
二人とも待ちきれず、宿舎から直接迎えに来たのだ。
「アンナ、ティーエ!!」
窓からその光景を見て慌てて下へ降りるファニー。
しかし、驚いたのはファニーだけでなく、リリスも同じだ。
(ティーエですって、あの雷神がここに)
ティーエの名は魔法を生業とする者で、知らぬものはいないほどの有名人だ。
トゥリールを始め幾多の戦いで追撃しようとする魔族の軍勢を、その雷の魔法でなぎ払っていった。
そのおかげで、英雄王レーン亡きあと混乱に陥っている連合軍を何度も救っている。
そのため敵味方を問わず、雷神の二つ名で知られるようになる。
(あのティーエが仲間だなんて何者名のこの娘)

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