オッパイストーリー! 13
「アースラ…」
ヨシュアもアースラを抱き締める。と、その時…
ドンドンドン!!
激しく扉を叩く音がした。
「わぁ!?も…もう来た!こ…降参するから命だけは助けてぇ〜!!」
「ご主人様…」
俺が護ると言った矢先の情け無い行動にアースラは呆れた。
「何を言っとるヘーデル!居るんだろう!?開けろ!」
だが、扉の外から聞こえたのはエイリアスの声だった。
「何だ…支部長か…脅かさないでくださいよ…」
「何だとは何だ!入るぞ!」
「あ!待…」
彼が言い終わる前にエイリアスはドアを空けてしまった。
「へーデr・・・直ぐに着替えろ!この戯け!!」
入ってきた彼女は、先ほどまでセックスをしていたので全裸の2人を見た瞬間、顔をリンゴのように赤くし大声を上げながらドアを閉め廊下に戻ってしまった。
「す、すいません!直ぐに着替えますので!ほらアースラも「へーデル、着替えながらでもいいから私の話を聞け。いいな?」え?は、はい」
エイリアスの罵倒で体を動かし始めるヨシュア、床に散らばった服を着ながらベットに横たわるアースラにも声を掛ける。
そんな彼に、ドアの向こうからエイリアスの声が聞こえてきた。冷静になったのか、その口調は何時もの彼女のソレである。
「つい先ほど騎士の使い魔らしきフクロウが私に一枚の手紙をよこした。その内容は『ジャダ付近で魔力反応を感知した。我は本部の命令でコレを調査する。ついては、貴殿らに調査の協力を願いたい。拒否は認められない』だそうだ」
ドアの向こう側から淡々とした口調で話すエイリアスの声は既にヨシュアの耳には入ってはいなかった。
「何ですか、ソレは!!?拒否は認められない?そんなのは協力とは言えないはずだ!!」
激しい音をたて開いたドアから鬼の形相で出てきたヨシュアは顔全体を怒りでいっぱいにしてエイリアスに怒鳴りつけるように言う。
「ヨシュア三等魔術士官。少しは落ち着k「しかし!」いいから落ち着け!!!!」
「・・・ッ!」
冷静に言う彼女の態度に神経を逆撫でされたヨシュアは大声で訴えようとした瞬間、彼のソレより大きな声を出して言うエイリアスに彼は顔を下に向けて黙るしかない。
「いいか?良く聞け、手紙では調査の協力を求めているだけで、何も「ソレ」を封印するとは書いていない。何でか分かるか?」
「・・・」フルフル
静かになった廊下に彼女の冷静な声が木霊する。
しかしその口調は拗ねた子供に言い聞かせる母親の口調であった。
エイリアスが言った事にヨシュアは顔を下に向けたまま顔を横に振るう。
「はぁ・・・ヘーデル三等魔術仕官、貴官はこの国の王は知っているな?」
「え?そりゃ、まぁ・・・バリスト・S(サーシャル)・ラ・トパジオン王でしょう?それが・・・何か?」
そんな彼を見てため息を一つ。しかし、すぐに表情を戻し今度はヨシュアにそう質問する。
彼は何を当たり前な、と言う表情で現国王の名を口にした。
トパジオン王国 国王バリスト・S・ラ・トパジオン18世、今この国を収める王にして国民からは“名君”と呼ばれ絶大な人気を誇っている人物だ。
「“名君”か・・・・ハッ、あのような“汚物”が名君とは世も末だな」
虚空を見上げながら吐き捨てる様に言う彼女にヨシュアはますます意味が分からず首をかしげる。
「あぁ、お前や国民は知らないのだったな。お前や民が常に言っている名君と呼び尊敬しているのは“偽者”なのだよ」
「・・・・・は?」
「そして本物は城の後宮の奥の奥・・・奴しか認めている者でしか入れない場所で酒と女に酔いしれブクブク太った醜い豚になっているのさ」
「ということは美姫6姉妹と名高い姫様たちも偽者?」
ヨシュアが疑問を呈すると彼女は首を横に振って言った。
「いや、それはない。姫様がたは本物の王の娘であらせられる。またベンジャミン王太子殿下も本物の王の実子であらせられる。」
「それにしても、そのようなことをよくご存知ですね。」