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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 12

「僕は至ってマジなのに。そろそろ夜が明ける。人間共も起きてくるから、僕は帰るよ」
と言って天の邪鬼は消えた…かと思ったらどこからともなく声が聞こえてきた。
「あっそうだ最後に赤千帆殿に伝えておいて。200年の永き眠りから目覚めしものが、君たちの敵をも甦らすってね♪」
そう言うと奴は今度こそ居なくなった

―ビル内・警備員室―
時間は少々戻る。

「うん?何か感じたような…」
蛮悟の前には空き缶と化した缶ビールが十数本転がっていた。
「!!」
酔っ払っているとは言え、蛮悟は妖である。それが何を意味するのか、瞬時に理解した。
「紅夜叉の奴、あの力を使ったな…!!」
蛮悟は脱兎の如く(と言っても足元がふらついていたが)、警備員室を飛び出した。

―屋上―
バタン!!ドタドタドタ!!

天邪鬼が消えた直後、騒々しい音と共に非常ドアから蛮悟が飛び出してきた。

「おいっ! 紅夜叉お前っ!」
 ドゴッ!
「ゲフッ!?」
 現れた蛮悟の顔面に、紅夜叉の飛び膝蹴りがめり込む。
「あーっ!ムカつくーーーーっ!!」
 さらに脳天に踵落しを喰らい、蛮悟はその場で昏倒してしまった。
「結局なんだったんだアイツはっ!」
 八つ当たりして少し落ち着きを取り戻した紅夜叉は、蛮悟の着物を剥いで身に纏った。
「ともかくこの事は、チホねぇに言っといたほうがいいな……」
 そう言うとサイズの大きい着物の裾を引き摺りながら、紅夜叉はビルの階段を下りていった。

 そして後には、上半身裸で大の字になって倒れた蛮悟が一人取り残されたのであった……
 

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