某企業新商品シャンプー発表会 6
「うふふふ〜、歩くんたら、今妄想してるでしょ〜」
亜季がニヤニヤ笑いながら歩に突っ込む。
「い、いや、そんなこと…」
「正直に言って。男の子はそのぐらいのほうが健全で私は好きだよ」
由希も加勢する。
「あ、は、はい…」
あっさり認める歩。
「ふふ…砂場君ったら」
真沙美は少し顔を赤くしながら微笑む。
「うーん…でも、水着になるんですよね…私、自信がないです…」
まどかが不安そうに言う。
「うふふ、何を言うかあっ!まどかちゃん、いいスタイルしてるのよ〜」
「あ、亜季さぁん…」
亜季がまどかを後ろから抱きしめ、胸の辺りを手で触る。
「(確かに、この5人だとまどかちゃんが一番背が高いのかな?)」
歩はまどかを見て思う。
そこに
「なんか南の島っぽいね。どこで撮影するの?」
由希が歩に尋ねる。
「あぁ、撮影予定地はハワイです」
「おぉー」
「なんか本腰を入れてきたって感じね」
茜が唸り、亜季はニヤリと微笑む。
…しかし、不安な顔をする人もいる。
「…私、飛行機苦手なんだけど…」
と言うのは由希。
「…パスポート持ってないです」
と言うのはまどか。
「…まあ、そういう問題もありましたか」
「気にすることはないわよ。大丈夫」
心配する歩に亜季が言う。
「飛行機対策は簡単に出来るし、パスポートも犬専務がすぐに動いてくれるよ」
亜季があっけらかんと言い放つ。
「それはあるかもしれませんね」
歩も苦笑いする。
プロモーションにひときわ乗り気の犬塚専務、成功をおさめるためなら何でも手は尽くすと歩も思っていた。
―ふと、歩は疑問に思ったことがあった。
「新商品発表のとき、スーツでシャンプーしようと言ったのって…」
「あぁ、それ、由希ちゃんなの」
亜季が答える。
「人前で話すの苦手で…難しい説明も出来なかったから、咄嗟に言っちゃって、後に引けなかったんだ…」
由希は顔を赤くさせて俯いた。
「ビックリしました。スーツのままシャンプーって」
「裸にはなりたくなかったからねぇ」
茜の言葉に亜季が続く。