神アプリ 336
「分からなくもないけど。私も翔真様のこと考えると──」
と恵梨香は瞳をトロンと潤ませ、頬を赤らめた。
「私だってそう。だけど想像だけってのもいやでしょ? 特に結衣はヴァージンなんだからあんまり知識もないと思うしさ、周りは可愛い娘ばっかりなんだからじゃんじゃんアピールしていかなきゃっ」
語気を強める桜子。翔真との関係が恋人ではなく「彼の女の1人」だからこそ結衣を仲間として捉えることができ、一緒に頑張ろうという気持ちを持てるのだった。
「……2年生の斎藤彩菜って娘と、竹原千歳って娘と、あと中島梨沙って娘、知ってるでしょ? あの3人、4月から翔真様の女にしてもらってるらしいんだけど、マジでヤバイよ? あの顔で、あのルックスなのに、滅茶苦茶エロいのね。テクも物凄いの。見てるこっちまで興奮するっていうか、レベルが違う」
「しかも、あの3人と顔も身体もエロさもテクも同じくらいの女の人がかなりいるの」
2人からそう聞かされると、結衣の表情は曇った。性知識に関しては無知に等しいのだった。
「だからこそ──」
ピシッ、と恵梨香がプリントを指差す。
「──アピールの知識が必要なのっ。OK?」
「う、うん……」
妙な緊張感に見舞われる中、結衣はコクっと頷いた。
「だけど勘違いしないでね。私たちは方法を教えるのであって、正解は教えないから。っていうか、正解があるなら私も教えてほしいくらい。正解があるとすれば、それは翔真様に気に入られること全て、かな」
そう言って桜子はスマホを出した。
「で、私がやってる勉強の1つがこれ。翔真様の女になってる人の中に、千夏さんっていう大学生がいるんだけど、その人に教えてもらったの」
桜子が差し出したスマホの画面には、卑猥な漫画の1ページが表示されている。
「千夏さん曰く、エッチなおねだりは三次元より二次元の方が参考になるんだって。セリフが書いてあるからなんて言っているかよく分かるし、男性がエロいと感じる言葉で書かれているのが殆どらしいよ。もちろん、ポーズも真似られるなら真似た方がいいって」
提示されたスマホを見つめる結衣の顔がみるみるうちに赤くなっていく。
「桜子……五十嵐先生に……こんなこと、したの?」
「うん」
当然、と言わんばかりに返す桜子だったが、彼女の頬も仄かに上気してた。
「それじゃあ、早速やってみよっか」
「ええ!?」
恵梨香の提案に結衣は思わず声を上げた。
「いきなり本番がいい?」
「ううー……」
そう言われると言葉に詰まる。練習もなくいきなり上手くできるとは到底思えない。
「でしょ? つべこべ言わずにやる。ハイっ」
恵梨香に手を引かれ、結衣は重い腰を上げた。
「じゃあまず、こっちにお尻を向けて四つん這いになって」
うう、と結衣は小さく呻くも、自分のためだと言い聞かせ、おずおずと手足を付いた。
*
露出した赤銅色の陰茎。青筋を走らせる太くて長いシャフトが、張り出したエラを持つ先端を持ち上げている。女性なら、男性器が丸出しになっているだけでも顔を背けるだろうに、その部屋にいる女性たちは誰一人としてソレから目を背けない。
そのグロテスクな逸物の持ち主は、その部屋には似合わないソファに身を預けている。背もたれに両肘を掛け浅く座るその態度は、ここの頂点が自分だと主張している。そしてそれを裏付けるように、足の間で二人の女が跪いていた。
「ふはぁぁ……んふ、はぁぁ……すてきぃぃ……はんぅぅ……」
どちらの言葉か分からないが、二人とも彼の男根に嫌悪感を持っていないのは確かだった。なぜなら、肉柱の左右から舌を張り付け、擦るように舐めあげているからだ。
そして彼らの上下関係を決定付けているのが、赤い首輪。肉棒を舐め擦る二人の首にそれが巻かれているが故に、誰が見ても主従が明確になっている。
首輪だけならまだしも、後ろで重ねた手首にも赤革の拘束具を施されており、彼女たちが隷属的な立場にあることをより強く印象付かせた。
しかし、彼女たちは行為を強いられているというよりも、進んで行っているように見える。排尿器官を舐めている横顔はうっとりと惚け、夢見心地の様子だった。
花柄のバンドゥブラと薄手の白いマイクロミニスカート、そしてヒールが高いブーツサンダルを身に付けている二人。尻を突き出しているから、一方は黄色の、もう一方は青の、紐のようなTバックが、それぞれ丸見えになっていた。