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BLUE☆EYES
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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BLUE☆EYES 3

やっぱ現実逃避かな。最近疲れているんだよ、うん。
僕は皿を洗い終えると、急いで鞄を持って家を出た。

僕が通っている高校は、家から少し行った丘の上にある。
古いレンガ造りの旧校舎が目印だ。

トボトボといつも通っている道を歩いていると、空き地の前に通りかかった。
その時、黒い物体が飛び出して……

「にゃーーん♪」
「わわっ!なんだ……猫か」

人懐っこい子猫が僕の足元で頭を擦りつけている。野良猫かな?
とよく見れば首には、ちゃんと首輪がしてある。
多分どこかの飼い猫だろうか?

「おいおい。僕はお前のご主人様じゃないぞ」
「にゅふ…ぐるぐる…♪♪」
「…って、本当にかわいい猫だよな」

大きくて丸い目が僕を見ている。エメラルドグリーンの
瞳に思わず吸い込まれそうだ。
僕はそっとその子猫を抱き寄せる。不思議とその猫は嫌がりもせず
僕のほっぺを舐めていた。くふっ。くすぐったーい。

「本当に綺麗な猫だよな…お前、どこかの飼い猫?
初対面なのに馴れなれしいぞ」

くすりと笑う僕。このままお持ち帰りしたいけど、飼い主に悪いからな。
そっと子猫を下ろすと、優しく頭を撫でた。
子猫は、気持ち良さそうに喉を鳴らしている。

「あ、やばい。遅刻しちゃう。じゃぁな。また会おうな」
「にゃぉ〜ん」

名残おしそうに見る子猫に振り返らず、僕は学校に向って走っていった。

「おはよう」
「うぉーす」

僕は校門を通りすぎながら、適当に挨拶をしていた。
いつもと変わらない学校の風景。
僕が三条さんにフラれたからって世界が終わるわけないのにね。

「はぁ…」
僕が下駄箱で靴を履き替えた時だ。

「やっほ〜薫」
「わわっ!?誰だよ?…って、なんだ藤堂さんか」

突然現れたクラスメイトの女の子、藤堂 唯(とうどう ゆい)さんに
いきなり抱きつかれてしまったのだ。
彼女が着ているのは、紺のブラウスにフリル付きミニスカート、頭にはカチューシャ。
いわゆるアキバ系とかゴスロリ系のメイドと言った方がしっくりするやつだ。
抱きつかれた僕はわけも解らず、ただ呆れるしかなかった。

「ほぇ。ご主人さま〜その様子では、また考えごとですかぁ」
「ほっとけ。つうか藤堂さん、制服はどうしたの?」
「あはは…まぁいつもの事じゃん。薫が昨日、三条さんにフラれたって聞いたから、慰めに来たのよ」

うっ…どこで聞いてきたんだよ。
それにそんな大声で言わないでくれ。恥ずかしいじゃんか。

「か、関係ないだろ。そんな事…」
「そんな事ないって。あたしが元気つけてあげるからさ」
「もういいってばぁ」

僕は彼女を振り切るようにして、廊下を掛けっていった。
背中の方で藤堂さんの笑っている声がする。やっぱからかったのか。

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