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世紀末を生きる女傭兵部隊
官能リレー小説 - 戦争

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世紀末を生きる女傭兵部隊 14


「あなた達はこの後支部に?」
「いいえ、あのスケ……リーシャのお爺ちゃんの所に行って弾薬とかの注文をするの。支部はその後」

そう言うシオンの顔は何故か嫌そうであり、カロッサ達も「御愁傷様」と苦笑いしていた。


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先に昼食を平らげたシオンとリーシャはカロッサ達と別れてとあるプレハブ工場に来た。
中では複数の作業員が鉄板を加工したり何かの精密機械を修理していた。

「相変わらずここは熱いわね」
「そうかしら?私は好きだよ。鉄とオイルの匂い」
「りーシャお嬢様、オ帰りなさイませ」

二人を出迎えたのは一体のアンドロイドメイドだった。姿形は人間そっくりではあるが所々人工皮膚が剥がれており、その部分を包帯で保護していた。

「サハラ、ただいま。お爺ちゃんは何処?」
「はイ、社長ならまモなく…」

と、その時であった。シオンのお尻に何かが鷲掴みにしてきたのだ。

「ひゃい……!?」
「ふーむ、相変わらずの安産型のええ尻じゃのぅ」
「……こんの、エロジジイ!!」

シオンは怒りの回し蹴りを食らわせようとするが、その人物は驚くほどの身軽さでそれを躱した。

「ふぉっふぉっふぉっ!よいではないか。家の孫娘とよろしくヤっているのだろう?」
「もう、ヤナギお爺ちゃんたら」

シオンにセクハラをした小柄なちょび髭ゴーグルの老人こそリーシャの祖父にしてジャンクをリサイクルする再生屋(リサイクラー)であり、このYRC(ヤナギリサイクルカンパニー)の社長ヤナギである。
ちなみにカロッサが御愁傷様と言ったのは隊長と副隊長、リーシャ以外のほぼ全員の女性メンバーがここへ来る度にこの尻掴みセクハラを必ず受けているからである。

「まぁ、ナニの勃たなくなった儂にとってはささやかな楽しみなんだから許しておくれ」

と、茶目っ気なノリで謝罪するが、そんなものは火に油を注ぐようなもの。顔を真っ赤にして殴ろうとするシオンをリーシャが必死に押さえる形になった。

「お…お爺ちゃん、今日もいつものお願いね!」

なんとかシオンをなだめたリーシャはポケットから必要な品を書いた紙を祖父に渡した。

「ほぉ、こりゃまた随分使ったな。7.6mm弾が5000に12.5mm弾8000、ウォーカー用の30mmバルカン弾1500、他銃器諸々か……」
「用意出来る、お爺ちゃん?」
「安心せい!可愛い孫の頼みじゃ、一週間で用意してやるわい」
「やった!お爺ちゃん大好き!」
「そうじゃ!ついでに試作の武器でも試してみるか」

ヤナギは注文表を若い男性に渡すと着いてこいと言わんばかりに歩き出す。その後ろをシオンとリーシャが、最後尾にサハラがついていく。
工場の奥に進むとそこには見たことのない様々な武器が至るところに置かれていた。

「流石はジャンクタウン一の工場ね。見ただけで品質のグレードがわかるわ」
「ほっほっほっ!そうじゃろう!儂の工場は信頼・信用・安心・安全がモットーじゃからのぅ!サハラ、こっちにきてくれ」
「はい、社長」

ヤナギはサハラと一緒に武器の山からゴソゴソと探すといくつかを机の上に並べた。

「まずこれが廃材で作った一番安価のパイプピストル、んでこれが矢を連射できるガトリングボウガン、ここのボタンを押すと電流が流れる電気ナイフ、トリガーを押すと発火して推進力を上げるロケットハンマー、そしてこれが今のところの最高傑作のショットガンの弾を使うマシンガンじゃ」

並べられた武器はどれも珍妙ではあるが、精密に作られているのが素人のシオンでもわかった。パイプピストルを手に取ってみると一見すれば粗悪品に見えなくもないが、その実パーツの一つ一つに微妙な調整が加えられており、下手な模造銃よりも作りはしっかりとしていた。
主にポピュラーな9mm拳銃弾の仕様で、廃材パイプピストルというという触れ込みから、引金さえなく撃鉄や撃針を直接指で弾くような危なっかしい単発銃かと思いきや…。
丸パイプの本体に溶接した角パイプのグリップ内に、着脱式10発マガジンが納まるセミオートピストルは、確実なマガジンキャッチとホールドオープン機能を備えていた。
リボルバーの方は弾薬寸法さえ適合すれば、リボルバー用なりオート用の弾種を問わず装填・排莢可能なシリンダーを持つ、スイングアウト式とトップブレイク式の二種。
それらを「廃材を利用した工業製品としての量産化」に成功。

「しゅごぃ〜…空薬莢が…とんじゃう〜?」

冷静沈着?なエンジニアのリーシャが「ひぎぃらめぇ」な表情で弄くり回しているサンプル品、短銃身でグリップと撃鉄を丸めたスナブ仕様のリボルバーは、先程の獣耳娼婦ふたりが太腿のホルスターに納めていた奴と同じモノ、とシオンは見抜いた。

「ゴロツキ与太者に武器流すな。」
「いやいやあの悪餓鬼ども、最近イイ目ぇしちょるけぇ、客は選んどるさ…ね?」

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