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老兵と少女
官能リレー小説 - 戦争

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老兵と少女 1

あらすじ
 昔、百戦錬磨の猛者として名を知られていた男は、高齢のため、退役を言い渡された。そんな彼の傍らには幼すぎるといっても過言ではない彼の妻、ソフィアがいた。
 ソフィアは孤児として、体を売ることを決心したその日、その男に破格の金で買われたのだった。男は言った。「
これでお前を買う。お前は結婚するまでその体を大切にしろ。」ソフィアは反対するその男に付き添った。兵士である以上、戦地に共に赴いた。ソフィアはその男に恋をしていた。そしてその男の子供を宿すことを夢見て今日もその男の傍らに寄り添うのだった。

その日はやけに暗い朝だった。
暗雲が立ち込めており、時々閃光が走ったと思うと、天を割くような轟音が響いた
ソフィアにとってこんな日は激戦の翌日を思い出した。
戦火に焼けた煙のせいか、戦闘のあった翌日は決まって雨がふるのだ。
 男は袖のないシャツの姿のまま、外に干した軍服を眺めていた。むき出しになったその手には有刺鉄線に引き裂かれた荒々しい古傷がいくつもついていた。年の割には引き締まった肉体に古傷が生々しく見えた。
雨が地面を濡らし始めていたが、男にはその服を取り込む様子はないようだ。すでに必要のなくなったものだ
ソフィアはブロンズの髪を濡らしながら駆け足でその軍服を取り込むとその老兵のもとに駆け寄った。
髪は短く切ったほうが戦地では有利だが、幼い彼女でも最後まで女であることを貫いたのだ。
「あなた。」とソフィアは呼びかけた。
男が少女に視線を移した。
ソフィアは濡れないように洗濯籠に軍服を放り込むと濡れた髪を後ろに縛った
夕立の中を立ち回ったせいだろう。安物のブラウスは、彼女の肢体にまとわりついて少女の膨らみかけた胸を浮かび上がらせていた。
「俺の服なんてどうでもいい。はやく着替えなさい。こんな年寄り相手でなければ、変態によからぬ感情をかきたてるぞ。」
「あなたしかいないじゃない。」
「あなたはその気にならないの?」
不安な表所で少女はいった
「その気にならないんじゃない。俺には子供を作る資格がないといっているんだ。」
男は独り言のようにつぶやいた。
そして
「お前はすでに女の体になってきている。」
「もう立派な大人じゃないか。」

ソフィアは小さく微笑んだ。
いたずらな子供がするような無邪気な笑みだ。
「ねえ。お駄賃としてチョコレートキャンディ頂戴。そうしたら着替えてくる。」
少女は男の顔近くにまで寄ってねだった。
男からは谷間と呼ぶにはまだ小さなその胸の間が強調された。
男はズボンのポケットから袋に入った小さなキャンディを取り出した
そして無造作に渡そうとするがソフィアは人差し指でそれを遮った。
「だめ。あなたがキャンディを私の口に運んで。」
男はソフィアの子供のようなおねだりに少し微笑みながら袋から取り出し、彼女の唇に触れた。
ソフィアはキスをするようにやさしく彼の手からチョコレートキャンディを受け取った
少女の唇の感触が彼の手を濡らした。
この少女はこんなにも女らしい仕草をするのかと、男は思った
子供のようなおねだりをしたと思うとこんな仕草もしてみせる。女というものはやはり違う生き物だ。と
男は思った。
ソフィアは飴を口に含むと笑顔を男にむけた
「ありがとう。着替えてくるね。」
飴をえくぼに挟んでいるのだろう。
笑った顔が強調され、男の心をなごませた
チョコレートキャンディは彼がソフィアに初めて与えたものだった。
そのときのソフィアは、男に体を売るという極度の緊張でこわばったをしていた。
彼はそんなソフィアの口に笑顔でチョコレートキャンディを入れてあげたのを覚えている。
ソフィアにとって、2日ぶりに口に入れた食べ物だった。
緊張した顔が緩み、ソフィアの両目から大粒の涙がいくつもこぼれた。
そのあと、彼の部屋にいってから、ホットミルクに角砂糖を入れたものを渡した。
あの日、泣いた目をぬぐいながらソフィアはホットミルクをゆっくりと飲み干した。
それ以降。ソフィアの好物はチョコレートキャンディと、砂糖入りホットミルクになった。
着替えた彼女はきっと男にホットミルクを要求するだろう。
毎日の習慣のようにこの2人はあの日の行動を繰り返している。


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