PiPi's World 投稿小説

老兵と少女-投稿-

男はソフィアの涙を拭いた。
「すまないな。俺は人を殺してきた。それが仕事だからだ。だが、俺は自分を恥じとは思わない。自分を必要としてくれる人が戦場にはいたんだ。徴兵代理として高く買ってくれる人もいたし、元大統領と同じ部隊に配属されたこともあった。それが俺にとっては誇りだった。例えそれが他の命を奪ってきたことへ目を背ける行為と分かってはいるさ。だが、その誇りを失うと俺はただの殺人鬼なんだ。俺は初めて人を殺した日、興奮と恐怖で眠れなかった。今でもあの日を思い出すと恐怖が蘇ってくる。名誉というあいまいなものからソフィアお前という明確な守りたいものができた。だから俺は今生きている。退役した日、俺は名誉を失ったのだ。」

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