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若様と年上妻達
官能リレー小説 - ショタ

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若様と年上妻達 3

これだと貴族の男子がそうであるように、まずは性の手解きからしてやる必要があるだろう。
彼女と夜の営みができるのは随分先のような気がした。

「私ももう休むわ・・・エリスもお休みなさい」
「畏まりました奥様・・・ではお休みなさいませ」

エリスはランプの明かりを消していき、一礼して部屋を出る。
ティアーナは大きなベッドのアルフリードの横に身体を横たえた。

「お休みなさい、小さな旦那様」

こうして、サンジェール夫妻の最初の夜が暮れて行ったのだった。



アルフリードが目覚めたのはドアのノックの音だった。

「入るがよい」

半分眠っていても皇子時代の癖のようなもので反射的に答える。
仰々しい口調だが、彼の幼い声は小鳥のように可愛らしい。

「失礼します、旦那様」

入ってきたのはエリスだった。
旦那様と言う言葉を聞きながら、自分の立場を少しだけ認識するアルフリードだった。

「おはようございます・・・朝食前にお召し替えを」
「うむ・・・ティアーナはどうしてる?」

若干すぐに名前が出てこなかった。
まぁ昨日まで誰だか知らなかった妻だ。
しかも母親のような年齢だとは思いもしなかったが、まだ幼い元皇子には結婚の意味はそこまで分かっていない。

「奥様はお嬢様達と朝の軍事訓練を行っております」
「軍事訓練?・・・女がやるものなのか??」
「女と言えど領主家の者なら一通りしておくのがこの地方なら当たり前なのです」
「ふむ・・・そうなのか」

アルフリードは後宮育ちで外の世界等見たことが無かった。
そして勿論、帝都の女性たちが軍事訓練すると言う話は聞いた事が無かった。

「都ではそうではないのですか?」
「うむ、余もしたことがないぞ」

アルフリードの言葉にエリスも目を丸くした。
流石は貴族のトップ、皇族だ。
仰々しいしゃべり方もそうだが、軍事訓練すらしないとはもう身分が違いすぎる。
つまりしなくてもいいぐらい高い身分の貴公子がやってきたって事だ。

「お母上達50人程に『リードは詩が上手で笛が上手い』と言ってくださっておる・・・お父上にも褒められた事がある」

リードと言うのが彼の愛称なんだろう。
確か『アル』と言うのが皇族の尊称だと聞いたから、身内だとそれを外して呼んでいたのだろう。
だが気になったのは、そこではない。

「50人の皇妃様って・・・凄いですわねぇ」
「余もお母上全てに会った訳では無いから知らぬが・・・100人以上いた気はするぞ」

またエリスが目を丸くする。
桁違いの話だった。

そこからアルフリードが語った事も桁違いだった。
後宮と言っても広大な帝城の中に作られた宮殿で、主要な皇妃は個人の宮殿を持っている。
アルフリードの母はそこまで身分が高くないが、それでもマルーシャ城本郭より大きな宮殿に住んでいた。
そんな話はこの街で生まれ育ったエリスからすればお伽話のようだった。

「余は軍事訓練なるものが見たい」
「畏まりました・・・今ならまだやっておるでしょう」

着替えを済ませたアルフリードは男の子らしい反応でそう言った。
だが、都から持ってきたぬいぐるみを抱きしめる辺りが可愛らしくて、思わずエリスも目を細めてしまう。

「可愛いぬいぐるみですね」
「うむ、お母上が持っていけと言われた」

10歳で親元から離れたのだ。
仕方ないとは言え、それが母親の唯一の手向けだったのだろう。
少し心を痛めながらエリスは訓練場にアルフリードを案内した。


マルーシャ城は町を見下ろす東側の岬の丘に立っている。
丘は細長く、その頂部分の海側に主郭、町の東側から北側を囲む嶺に曲輪を配置した実戦的な城郭であった。
その曲輪の一番端は内陸から伸びる街道沿いに辺り、ここと町の西側にある海沿いの街道しか道がないマルーシャの防御の要と言う場所だ。

その端にある一番大きな曲輪が通称『北曲輪』と呼ばれ、アルフリードの馬車もここから城内に入った。
町に出る時は主郭に近く一段低い『南曲輪』を使う。
その南曲輪は町の政庁もある政治の場、北曲輪は広大で軍事訓練も行われる軍事の場だった。

小さな馬車に乗って、アルフリードが北曲輪の前庭にやってくると、部隊が訓練していた。
その中に3人の鎧姿の女性がいた。

三人の女性は言うまでもなく、アルフリードの妻になったティアーナとその娘達であるマリアーナとサファーナである。
鎧と言っても白い胸甲と籠手と言う軽装で、青空のような青いスカートとのコントラストがよく映えた。
他の鍛練中の兵士達も白い胸甲と青いズボンであり、これが伯爵家私兵の正式軍装なのだろう。

訓練用の剣先を大地に刺してそれを杖のように持ち訓練を見守っていたティアーナが馬車に気付き兵士に号令をかける。
その声は昨日の優しさではなく、軍の司令官そのものだった。

整列する兵士。
恭しく馬車の前で礼を取るティアーナ。
馬車から降りたのは、勿論アルフリードだった。

「総員っ、伯爵閣下に敬礼ぃっ!!」

ポニーテールを揺らしながら、次女のサファーナが号令すると、ブーツの音が綺麗に合わさり、兵士が礼を取る。

「苦しゅうない、皆楽にせよ」

小鳥のさえずりのような幼い少年特有の綺麗な声。
だが、しっかりとそう言う所は皇家の産まれ故だろう。

「旦那様、訓練中でお見苦しい所をお許しください」
「別によい、見てみたかった」

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