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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 928

「ご主人様はあまり私たちの採用には関わってませんね」
「労いの言葉をもらうと嬉しいですけどね」

「じゃあ今は誰がスタッフの採用を?」
「杏さんが一手に引き受けているんですかね?」
「弥生さんは自分のところの人員は管理してるみたいだけど」

「ここで働いている子の中には、あまりいい境遇でなかった子もいると聞くんだ」
「萌の話も、最初は信じられませんでした」

「ああ…彼女のように辛い目にあっていた子もここには多いんだろ?…」
「はいそうだと思います…奥様は萌のような子を救い出そうと、毎日必死でしたから…」

自由奔放に生きているように見えていて、涼香さんにはそういう側面もあったんだよな…

「今でも奥様を崇拝している従業員は多いんです…だから今回のご主人様の結婚に、戸惑っている人もかなりいるみたい…」

…仕方のないことだろう。
涼香さんに救われ、雇われた身ならそう思うのも当然。

「今回のことで、辞めていってしまう人もいると?」
「それはさすがにありませんけど、気持ちは複雑だと」
「花咲さんも素敵な方ですけどね」

3人で並んで歩いていく。

「同じ従業員でも、離れのお家が与えられた弥生さんは特別な存在なんだね」
「料理長ですから」

確かに立場が違うってことか…

「それに元々弥生さんはご主人様のお友達でもある訳だし、私らと一緒である訳が無いよ…」
それはそうかもしれないよな…

「それじゃあ伊藤さんがあの離れを使っている時は…弥生さんは何処で?…」

「弥生さんも一時期は南塔にいましたね」
「うちのスタッフの中では唯一の子供がいる方だから、負担を少なくしたい、ってことでいろいろ考えられてはいたようです」

今のように離れが使えるのはいいことなんだろうな。
そういえば、椿ちゃんって普段学校とかどうしているんだろう。

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