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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 898

「いろいろ経験したのは大学に入ってからだったな」
「その頃はお袋や鈴田さんとは一緒じゃなかったですよね」
「ええ、操はもう家庭に専念してしまったし、鈴田さんは私には手の届かないくらいの難関校に合格したもの」

弥生さんもその数年後に結婚する。
前の夫とはなかなか子供が出来なくて夫の両親から散々文句を言われ続け、身も心も疲弊しきったときにお袋に相談に家に来ていたのだ。

あの時久しぶりに見た弥生さんの憔悴しきった姿を、僕は忘れてはいない…
あの姿を思い出す度に、その後僕が付き合ったことは間違ってはいなかったんだと今でも思える…

「弥生さんの前の結婚は、上手くはいかなかったんですよね?…」
「ええ…それこそ初めてお付き合いした男の人だったの…、よく分からないまま…流さるままに結婚してしまったのね…」

それでも夫婦2人の生活ならよかったかもしれない。
そこに夫の両親が同居する形だから弥生さんの居場所なんてほとんどなかったのかも。

「それで、離婚…?」
「彼も別に女の人がいたみたいだけどね。一方的に押し付けられる形だから真意は知らないわ」

その間、弥生さんは僕を求めてきた。
僕にとって初めての体験を、弥生さんはいろいろ教えてくれた。

「匠さんとのお付き合いはその後?…」
「ううんそうじゃないの…、匠くんとは結婚している時なの…だから旦那の女性のことをとやかく言える立場では無いのよ…」

そう…事情はどうであれ、僕と弥生さんは世間で言われる不倫ってやつだったんだよな…
その後やっと弥生さんは離婚出来ることになったというのに、それと同時に僕は一方的に別れを告げられて…

それはちょうど高校を卒業した翌日のこと。
弥生さんはデートの別れ際、海外に行くと僕に告げた。
受け入れることができず、弥生さんの前で男らしくない涙を見せてしまう。

「それでフランスに…」
「青山くんに再会したのはフランスにいたときなの」
「椿ちゃんもそのときの旦那さんとの子なんですね」

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