ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 488
「そうなんですぅ〜もう重くてぇ参っちゃいますぅ〜」
「お嬢様は細身だから尚更なんじゃないないかしら?…」
「毎日いっぱい食べてはいるんですけど、栄養は全部この子たちが持っていちゃうみたいなんですぅ」
「それは健康な子が産まれるはぁよ。今日も弥生さんが楽しみに待っているから、いっぱい食べていって頂戴ね!」
妊娠しても香澄の食欲は相変わらずで。
まあ、今はお腹の子供の分も食べて栄養を取らないといけないしね。
…弥生さんもいるんだな。
手料理も楽しみだけど、聞きたいことがたくさんあるからね…
杏さんと一緒に、香澄を車に乗せ、僕も乗り込む。
「匠さんお元気でした?」
「はい。こないだは杏さん、海外に行っていましたからね。」
「そうそう、あちらで匠さんにそっくりの方をお見掛けたんですよ。」
うぇ?!…それって…
「そ、そいつと話しはしたんですか?」
「いえ、空港でお見掛けしただけですから…多分出張だったんじゃないかしら?」
ま、マジですか…
やっぱり仕事で海外も飛びまわるようなやつだったんだな…
「へぇ〜匠さんによく似た人ですかぁ」
「ええ…双子だと見間違うようなくらいそっくりでしたねぇ」
…うわぁ
「双子ですか…私もお腹の子供…双子だといわれていまして…」
「うわぁ〜それは凄い!お嬢様に似たお子様でしたら、さぞかし可愛いでしょねぇ〜」
杏さん;…僕に似ている可能性も充分にあるんですけどね;
「そぉでぇすかぁ?〜男の子だったら匠さんに似ていて欲しいんでぇすけどねぇ。」
はい、僕に似た女の子じゃないことを祈ります;
「まあどちらにしろ、お嬢様には健康なお子様を産んでいただかなければですね。」
それは僕も同感です。