ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 256
「そうですか…よかった」
夏子と呼ばれたその女性がホッとした様子で、笑顔を見せた。
…あら、可愛い。
…って、そういうことじゃなくて。
「えっと、順番おかしくなっちゃった。今度から私たちの仲間として一緒に働くメンバーを紹介するね」
ゆかりさんが改めて周りに言う。
「先ずは私よりもしっかりしている浅野夏子〜出張の多い私に代わって、事実上ここのリ―ダ―だったりするのよ〜」
「やだぁゆかり…貴女に比べたら私なんてまだまだひよっこだはよ…」
浅野夏子という女性は笑顔を浮かべ、僕に片手を差し出してきた…
「よろしくね」
「あ、はい」
夏子さん、ゆかりさんよりも年上のように見える。
「ゆかりとは同期で、一緒に苦労してきた仲間なの」
「苦労って…そこまでじゃないよ〜」
ゆかりさんが頭を掻きながら言う。
「…で、あとの子たちは、柏原くんと一緒か、それより若いかも?」
…さっきはしゃいでいたこっちの連中ですか…
「クスクス…安室沙織でぇ〜す。柏原さんと働けるの、マジに楽しみなんですけど!…」
「こちらこそヨロシクだよ…」
「沙織ちゃんは開発部と兼業なので、デザイナ―でもあるのよ。」
「夏子さんそれは言わないで下さいよ〜、何せ男性モノの下着なんて未知の世界なんですから〜…柏原さん!いろいろ教えて下さいよ!」
教えてるって…君の視線を見ると、何を教わりたいのか分かりますけどね;…
「柏原さんって歳いくつ?」
「27だよ」
「あ、じゃあ、美月さん同い年ですよ!」
「あ、そ〜なの〜?」
美月さんと呼ばれた前髪ぱっつんの女の子。
…いや背も低いし見た目ロリ…げふんげふん。
「檜山美月です〜、よろしくお願いしますね〜」
「あ、うん、こちらこそ…」