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初恋の人は
官能リレー小説 - その他

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初恋の人は 44

ギャル系と陰キャと言う全く正反対の俺と彼女達だったが、何故か行事の度に関わる事が多かった。
故に喋る方なのだが、それが恋愛まで発展しなかったのは、俺が陰キャだからだろう。

「滝は卒業と同時に15も年上の金持ちの旦那と結婚して、もう腹がデカいぜ」
「嘘っ!早すぎない?!」

まあ計算すれば学生時代に仕込んでいるんだろうけど、上手く金持ちの旦那を掴んだのが滝らしい。

「新見は芸能界にスカウトされてるぜ」
「あー、あの子なら成功しそうよね」

2人共、精神的にタフな奴だから、きららの言う通りだろう。
それに見た目はギャルだが、意外と真面目だったりする。
忙しい新見なら兎も角、滝ならきららと会わせれるかもしれない・・・
だが、今のきららを会わせる事に誰にもメリットがあるようには思えない。

誰にも言えない事情で一時期とはいえ消えかかった身の彼女。
今の職業だって表じゃ明かせない彼女。
当時から浮世離れしてた感が強い喜多岡由衣という存在は、今になってさらに俺を除いた同級生からは遠い存在になっている気がした。


「嵯峨っち久しぶりじゃん、ってか全然変わってないし」
「まあ言うて高校卒業から半年もたってないだろ」

きららに合わせるのとは別で、ちょっと会えないかと思ってダメもとで連絡したところ、なんと新見の方がOKを出してきた。

新見陽菜…現在は「雛森ニーナ」という芸名でモデルやグラビアで活躍している。
明るくてよく喋る、気さくで本当にいい子である。

「滝って今どうしてるの?連絡がつかなかったんだけど」
「あれ、嵯峨っち知らなかったん?生まれたんだよー、優樹菜の子。女の子だってー」

滝優樹菜・・・
現在は浦部優樹菜が赤ちゃんを抱いて満面の笑みをスマホの中で浮かべている。

「優樹菜の旦那って、確かIT関係の社長だったよな?」
「そーだよ!凄いデッカい家だったもん!」

ケラケラとよく笑う陽菜。
こう言う嫉妬心とかと無縁な所が良い子だし、成功してる秘訣なんだろう。
既に雛森ニーナはグラドル界で天下取りそうな勢いだし、テレビ出演も出てきた。
この明るさは結川きららに通ずる明るさだが、彼女は表の世界の明るさだ。

「所で嵯峨っちはどーしてるの?」
「普通の大学生さ」
「いやさ、あの大学普通のレベルじゃないって!」

陽菜がそう言ってくれる通り、卒業すれば官僚や大企業コースと言われる大学ではある。
まぁ、俺の場合はそこまで高みを目指してるのではなく、家業を継ぐに当たっての勉強のつもりなだけだ。

「そう言えばさ・・・この前、喜多岡さんに会ったんだ・・・」
「マジか?!」
「うん、でさ・・・嵯峨っちは喜多岡さんが何してるか知ってる?」
「ああ、勿論な・・・」

陽菜がさん付けで呼ぶ微妙な関係。
もしかしたら彼女も言いにくいのかと思ったが、俺が知ってると聞いて少し気楽な表情になった。

「AVだろ?」
「今はセクシー女優って言うんだよ!」

そうは言ってもショックあるのかもしれない。
普通知り合いがAV女優とか、ショック受けない方がおかしい。

「嵯峨っちはどう感じてたか知らないけど・・・いい噂の無い子だったから」
「いや、それも薄々とはな」
「そっか・・・今は垢抜けていて、普通にお話しできたからね」
「そうか・・・」

顔見知りになっていたか・・・
なら普通に会わせれるが、陽菜の仕事が表側だけにきららと連むと陽菜までAV行きの噂になりかねない。
まあ、いずれ機会があればと言う事にしよう。

「今日は会えて良かったよ・・・」
「うん、嵯峨っちの会社からCM貰ったお礼言いたかったしね」
「マジか?!」

それは知らなかった。
あんまりCM出してるイメージ無かったが、地元では堅実な企業だ。

「CMもすんなりじゃなかったんだよね。対抗馬っていうか、いたの。もっと若くてダンスもキレキレの子も。結局アイドル系よりグラドルに収まってよかったんだけど」
「どこも、コンペはあるんだよ」
「嵯峨っちの所は、貧乳アイドル押しじゃなくてよかった。嵯峨っちも・・・そうだよね?」
「俺は、まだ学生だし会社のことに口出しできる立場じゃない」

陽菜がなれなれしいのか芸能界がそうさせたのか、表の世界の住人でもグレーなことを口にしてくる。

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