貴方の人生、変えちゃいます! 5
目の前ではいよいよといったばかりにゾンビが押し寄せ、捜査官が銃を構え向ける。
しかしそれどころじゃない。
俺の「銃」は完全にエマさんの手玉に取られていた。
「ふふ、すごく大きくなってきました…」
「あっ、ちょっと、エマさん…」
「あの時もここまで大きくしてたんですか?」
「そ、それ…くぁっ」
ズボンの上から「銃」を撫でまわされている俺の目に、女の子座りのままでしなだれかかるようなポーズの彼女の胸元が飛び込んでくる。
かなり立派なそのふくらみは見事な谷間を形作っていて、白く鮮やかな肌がもちもちと柔らかそう。
ニットのワンピースからのぞくふとももも同じように柔らかそう。
画面の中では捜査官の足元には牧師が描いた結界のような陣が描かれていて、数か所に聖具が置かれている。
一番外側の線を越えて、入ってきた。
「いよいよ戦いですよ、エマさんっ…」
「敵を知らなくては、戦えないですよ…」
画面を指し示す俺に微妙にズレた回答をよこしてくるエマさん。
気味の悪い声をあげながら、異形の混沌のように這い寄るゾンビ達の姿が画面の中で二番目の線を越え、三番目の線に迫る。
「エマさん…まずいですよ。
「ねえ…駄目ですか?」
上目遣いで問いかけてくるエマさん。
さすがにまずいだろうと彼女の両手首を握ろうとするが、俺は心を揺さぶられる。
結界の中まで入ってきたゾンビの数が増え、三番目の線も踏み越えられそうになったその時、陣内に立つ捜査官はようやく射撃する。
発砲音が響いては肉が爆ぜる音、何かが千切れて飛ぶ音。ゾンビ達が上げる悲鳴。
「あっ」
「とにかく、いけませんよ。俺だって…本気になってしまいます。」
俺はテレビからの射撃音で半分我に返った。エマさんの両手首を今度こそ握って、できるだけ丁寧に「銃」から外す。
画面の中では捜査官の彼女が次々にゾンビを打ち倒す。
だがその進撃は止まらない。
ゾンビ達の数が増え、最初は1体か2体ずつ来ていたのがだんだんと群れを成すように押し寄せてくる。
「まだなの!ねえ!」
画面の中で捜査官の叫ぶ声がする。数が増えてくkるゾンビに焦りながらも射撃を続けている。
エマさんが片足をすっと動かしていた。膝を立てるようなポーズを取った。